ほめる言葉は、量より「何を見ていたか」が伝わることが大切かもしれない
子どもをほめるときは、回数や大げさな言葉より、どの行動を見ていたかが伝わることが大切かもしれません。CDCの資料をもとに、家庭で使いやすい具体的なほめ方を整理します。
この記事でわかること
- 「すごいね」だけでは伝わりにくいことがある理由
- 具体的なほめ方が、子どもに行動の手がかりを渡すこと
- 忙しい家庭で使いやすい、短い声かけの作り方
ざっくり言うと
子どもをほめたほうがよい、と聞くことは多いかもしれません。けれども、毎日忙しい中で「どこまでほめればいいのか」「大げさにほめすぎるのも違う気がする」と感じる保護者もいます。
ほめることは、子どもを甘やかすこととは少し違います。CDCの子育て支援資料では、子どものよい行動に注意を向け、その行動を具体的に言葉にすることが紹介されています。
たとえば「えらいね」だけでは、子どもには何がよかったのかが伝わりにくいことがあります。一方で「おもちゃを箱に戻せたね」「順番を待っていたね」と言うと、子どもは大人がどの行動を見ていたのかを受け取りやすくなります。
家庭で考えるなら、ほめ方の中心は大げさな言葉ではなく、子どもが次も使える行動の手がかりを、短く具体的に返すことです。
研究・公的資料ではどう見られているか
CDCの資料では、子どものよい行動をほめること、子どもの遊びをまねること、子どもがしていることを言葉で描写することが、親子のコミュニケーションを助ける方法として紹介されています。
その中で、ほめる言葉は「具体的であること」が大切だと説明されています。一般的なほめ言葉は、子どもをよい気持ちにする助けにはなりますが、どの行動がよかったのかまでは伝わりにくいことがあります。
具体的なほめ方は、行動と結びつきます。「片付けてくれて助かったよ」「弟に貸せたね」「最後まで座って待てたね」のように言うと、子どもは自分の行動を少し振り返りやすくなります。
ただし、これは子どもを操作するための技術ではありません。ほめることばかりを意識しすぎると、親も子どもも疲れてしまいます。家庭では、完璧な声かけを目指すより、目に入ったよい行動を一つだけ言葉にするくらいで十分な日もあります。
家庭で参考にするなら
一つ目の工夫は、「性格」より「行動」を言葉にすることです。
「いい子だね」「頭がいいね」も、愛情表現として出てくる自然な言葉です。ただ、毎回それだけだと、子どもは何を続ければよいのか分かりにくいことがあります。
「靴をそろえたね」「こぼれた水を拭こうとしたね」「怒っていたけれど、言葉で言えたね」のように、見えた行動を短く言います。うまくできた結果だけでなく、途中の努力や切り替えようとした動きにも目を向けると、子どもは自分の中の小さな変化に気づきやすくなります。
二つ目は、ほめる場面を特別な成功だけにしないことです。
習い事で賞を取った、テストでよい点を取った、発表会でうまくできた。そうした場面はほめやすいものです。でも、家庭で大切なのは、毎日の中にある小さな協力や我慢を見逃しすぎないことです。
「待っていてくれて助かった」「先に手を洗えたね」「妹が話している間、少し待てたね」。こうした言葉は、親が子どもを見ていることを伝えます。
三つ目は、ほめる言葉を短くすることです。
長く説明しようとすると、親も続きません。子どもも途中で聞けなくなることがあります。「今の、助かったよ」「最後までできたね」「自分で戻せたね」くらいの短さで構いません。
気をつけたいこと
ほめることを、子どもを毎回評価する時間にしないことが大切です。
子どもは、いつも評価されていると感じると、うまくできることだけを選んだり、失敗を隠したりすることがあります。ほめる言葉は、点数をつけるためではなく、子どもが自分の行動に気づくための補助として使うほうが自然です。
また、きょうだいと比べるほめ方には注意が必要です。「お兄ちゃんより上手」「友だちよりえらい」といった言い方は、一時的にうれしくても、比較を気にしやすくなることがあります。
子どもがほめられることを嫌がる日もあります。照れて反発する子、注目されると固まる子もいます。その場合は、言葉を控えめにしたり、あとで短く伝えたりしてもかまいません。
今日できる小さな一歩
今日できる一歩は、「すごいね」の後ろに、見えた行動を一つだけ足してみることです。
「すごいね、最後まで自分で戻せたね」
「助かったよ、声をかける前に手伝ってくれたね」
ほめ方は、親が完璧な言葉を探す時間ではありません。子どもの中にすでにあるよい動きを、親が見つけて言葉にすることから始められます。