思春期の重い話題は、一度で解決しようとせず話せる扉を開けておきたい
思春期のメンタルヘルス、飲酒、薬物などの話題は親子で話しにくいものです。CDCの資料をもとに、責めずに話し始める入口を整理します。
この記事でわかること
- 思春期の重い話題を、一度の会話で終わらせようとしなくてよい理由
- 責めずに話し始めるための入口
- 家庭だけで抱えない相談先の考え方
ざっくり言うと
思春期の子どもと、メンタルヘルス、飲酒、薬物、友人関係、SNSのトラブルについて話すのは簡単ではありません。
親のほうも、何から聞けばよいのか迷います。強く聞きすぎると閉じてしまいそうで、何も聞かないと見逃してしまいそうです。子どもが急に元気をなくしたり、部屋にこもったり、友人関係が変わったりすると、心配は大きくなります。
CDCのFree Mind資料では、薬物、アルコール、メンタルヘルスについて思春期の子どもと話すことは最初は気まずいかもしれないが、練習によって開かれた正直な会話が関係の一部になり得ると説明されています。
家庭で考えるなら、重い話題の会話は一度で正解を出すものではありません。子どもが必要な時に戻ってこられる会話の扉を開けておくことが大切です。
研究・公的資料ではどう見られているか
CDCの資料では、親や養育者が、思春期の子どもに影響する物質使用やメンタルヘルスについて理解し、開かれた正直な会話をすることが、子どもとつながり、導く助けになると説明されています。
また、会話のためのポイントとして、少し準備すること、安全な空間を作ること、思いやりを持って接すること、決めつける質問ではなく中立的な問いかけをすることが紹介されています。
さらに、一度話した後も追加の会話を促し、完璧さよりも存在していることが大切だとされています。会話が予定通りに進まなくても、親が気にかけていることを示すことには意味があります。
資料では、必要なときには学校のカウンセラー、支援窓口、治療機関などを含めて、子どもを助けるチームを作れるとも説明されています。家庭だけで抱えない視点が重要です。
家庭で参考にするなら
一つ目の工夫は、会話の入口を小さくすることです。
「何か隠しているでしょ」「薬物なんて絶対だめだからね」と始めると、子どもは身構えるかもしれません。心配がある時ほど、最初の一言は短く、決めつけない形にします。
たとえば、「最近少し元気がないように見えるけど、話せることある?」「ニュースでこういう話を見たけど、学校ではどう聞こえている?」のように、観察や一般的な話題から入る方法があります。
二つ目は、話す場所とタイミングを選ぶことです。
正面から座って詰める形だと、子どもは答えにくいことがあります。車の中、散歩中、家事をしながら、テレビやニュースをきっかけにするなど、目線が固定されすぎない場面のほうが話しやすい子もいます。
三つ目は、分からない時に分からないと言うことです。
親がすべての情報を知っている必要はありません。「それは今すぐ答えられないから、一緒に確認しよう」「専門の人に聞いたほうがよさそう」と言えることも、子どもにとって安心につながります。
気をつけたいこと
重い話題を聞くとき、最初に罰や説教に直結させないことが大切です。
もちろん、安全に関わる場合は大人がすぐ動く必要があります。ただ、子どもが話し始めた瞬間に強く責めると、次から大事なことを隠す可能性があります。まず聞き、危険があるか確認し、その後で必要な対応を考える順番が大切です。
また、親だけで抱えすぎないことも重要です。強い抑うつ、不安、自傷をほのめかす発言、薬物や飲酒、暴力、家出などがある場合は、家庭での会話だけでは足りないことがあります。学校、医療機関、自治体、緊急窓口などにつなぐことが必要です。
子どもが話したがらない日もあります。その場合でも、「今すぐ話さなくてもいい。でも必要ならいつでも聞く」と伝え、扉を閉じないことが大切です。
今日できる小さな一歩
今日できる一歩は、重い話題を直接詰める前に、開かれた一言を用意しておくことです。
「最近、少ししんどそうに見える。話したくなったら聞くよ」
「怒る前に、まず一緒に考えたい」
「ひとりで抱えなくていい」
思春期の会話は、親が完璧な答えを出す時間ではありません。困った時に戻ってこられる大人がいると伝え続けることから始められます。