小学生から中高生の運動は、習い事より「毎日の動き」として見る
5〜17歳の身体活動は、スポーツや習い事だけでなく、歩く、遊ぶ、家の中で動くことも含めて考えられます。WHOの資料をもとに、家庭で見直しやすい日常の動きを整理します。
この記事でわかること
- 身体活動をスポーツだけで考えなくてよい理由
- 5〜17歳の子どもに関するWHOの大まかな考え方
- 家庭で無理なく増やせる「毎日の動き」の見つけ方
ざっくり言うと
子どもの運動不足が気になっても、すぐに習い事や本格的なスポーツを増やすのは難しいことがあります。
学校、宿題、塾、部活、通学、家の予定。小学生から中高生になるほど、時間の余白は少なくなります。運動が苦手な子、集団競技が合わない子、外で遊びにくい地域に住む子もいます。
WHOの身体活動に関する資料では、身体活動はスポーツや運動だけでなく、歩くこと、遊び、移動、家事、余暇の中の動きなども含むものとして説明されています。5〜17歳の子ども・若者については、中強度から高強度の身体活動を日常的に行うことが推奨されています。
家庭で考えるなら、運動は「何かを始めるかどうか」だけではありません。一日の中で、座っている時間を少し切り替え、体を動かす場面を増やすことから見直せます。
研究・公的資料ではどう見られているか
WHOは、身体活動を「骨格筋による、エネルギー消費を伴うあらゆる身体の動き」と広く捉えています。つまり、競技スポーツだけが身体活動ではありません。
子どもや若者にとっては、遊ぶ、歩く、自転車に乗る、階段を使う、体育、部活動、ダンス、家の手伝いなど、さまざまな形の動きが含まれます。
WHOの資料では、5〜17歳の子ども・若者に、毎日平均して十分な中強度から高強度の身体活動を行うこと、筋肉や骨を強くする活動を週に数回含めること、座りすぎを減らすことなどが示されています。
ただし、家庭でこの数字だけを見て「足りていない」と責める必要はありません。国際的な目安は、健康づくりの方向を示すものです。子どもの体力、生活環境、学校の予定、天候、安全面によって、実際にできることは変わります。
家庭で参考にするなら
一つ目の工夫は、運動を「スポーツ」と「それ以外」に分けすぎないことです。
スポーツクラブに入っていないから運動していない、部活をしているから十分、と単純には言い切れません。学校まで歩く、帰宅後に近所を少し歩く、家の中でストレッチする、休日に公園へ行く。こうした動きも、生活全体の中では意味があります。
運動が苦手な子には、「走ろう」「鍛えよう」よりも、「少し歩こう」「階段を使ってみよう」「音楽をかけて体を動かそう」のほうが入りやすいことがあります。
二つ目は、座りっぱなしの時間を区切ることです。
勉強や動画、ゲーム、読書、創作など、座る時間そのものが悪いわけではありません。ただ、長く続くと体も気持ちも固まりやすくなります。宿題の前後、動画を一本見た後、ゲームの区切り、夕食前など、生活の切れ目に立ち上がる時間を作ると、無理なく動きやすくなります。
三つ目は、親が管理しすぎないことです。
中高生になると、親が細かく運動量を指示しても反発されることがあります。その場合は、「何分運動しなさい」より、「帰り道で一駅分歩ける日があるか」「週末に外に出る予定を一つ入れられるか」のように、本人と動かせる場所を探すほうが続きやすくなります。
気をつけたいこと
身体活動を増やすことは大切ですが、無理な運動を押しつけないことも同じくらい大切です。
体調が悪い日、睡眠不足の日、けがをしている日、気持ちが落ち込んでいる日には、運動量を増やすことが負担になる場合があります。病気や障害、運動制限がある子どもについては、一般的な目安をそのまま当てはめず、医療機関や学校と相談しながら考えてください。
また、体型や体重を責める言い方は避けたいところです。「太るから動きなさい」「だらしないから運動しなさい」といった言葉は、体を動かすことへの抵抗感を強めることがあります。
身体活動は、子どもを評価する道具ではありません。体を動かすと少し気分が変わる、眠りやすくなる、友だちや家族と過ごす時間になる。そうした生活の支えとして考えるほうが、家庭では扱いやすくなります。
今日できる小さな一歩
今日できる一歩は、子どもの一日の中で「立ち上がれる切れ目」を一つ探すことです。
宿題の前に3分歩く。動画を見た後に洗濯物を運ぶ。夕食前に近所を一回りする。寝る前に軽く伸びる。
運動は、特別な予定を増やすことだけではありません。生活の中にすでにある動きを、少し見つけ直すことから始められます。