3行まとめ

  1. 育児・介護休業法の制度の多くは、会社の就業規則に書かれていなくても、本人が会社に申し出る・請求することで利用できます。まず「あるものを知る」ことが土台になります。
  2. 令和7年4月の改正で、子の看護等休暇の対象が小学校3年生修了までに広がり、取得できる理由に感染症に伴う学級閉鎖等と入園(入学)式・卒園式が加わりました。残業免除も小学校就学前の子までに拡大されています。
  3. 制度は「知っていて、先に決めておく」ほど使いやすくなります。どの場面で誰がどの制度を使うかを夫婦で話し、申出先を確認しておくところから始められます。

この記事でわかること

  • 子どもの病気・行事・帰宅時間という家庭の場面に、どの制度が対応するのか
  • 「就業規則に書かれていなくても使える」制度と、会社の定めによる制度の違い
  • 令和7年(2025年)の改正で広がった範囲と、新しく選べるようになった働き方
  • 制度を実際に使うために、夫婦で先に決めておく3ステップ

「今日、どっちが休む?」の朝

朝、子どもの額に手を当てて熱を確かめた瞬間から、頭の中で仕事の予定が高速で組み替わっていきます。今日は外せない打ち合わせがある。相手も同じくらい忙しい。残っている有給は数日しかない。——結局、声を上げるのが少し早かった方が休むか、電話をかけ合って譲り合いにならないまま、どちらかが折れる。そんな朝を何度も繰り返している家庭は多いはずです。

この慌ただしさの背景には、時間のなさだけでなく「使える札を知らない」という問題が隠れています。子どもの看病で休むときに、年次有給休暇しか選択肢がないと思い込んでいれば、有給の残りが心細くなるほど家庭は追い込まれていきます。けれど法律には、子どもの世話のための休暇が年次有給休暇とは別枠で用意されていて、しかも近年の改正でその使い道はむしろ広がっています。残業を免除してもらう制度、深夜の勤務を外してもらう制度、勤務時間そのものを組み替える制度も、条件を満たせば請求できます。

もちろん、制度を知ったからといって職場の状況がすぐに変わるわけではありません。それでも、「有給を削るしかない」と思っていた場面に別の選択肢があると分かるだけで、朝の判断は少し落ち着きます。急な発熱そのものへの備え方は急な発熱・欠席にどう備えるか ― 共働き家庭の初動フローにまとめているので、この記事では「そのとき仕事の側で使える仕組み」に絞って見ていきます。

家庭の場面別に見る、制度の地図

制度の名前から覚えようとすると、似た言葉が並んでいて混乱しがちです。そこで、家庭で実際に起きる場面から逆引きする形で整理してみます。厚生労働省が運営する「両立支援のひろば」の解説と、育児・介護休業法の改正リーフレットに書かれている内容を、四つの場面にまとめたのが次の図です。

家庭の場面と対応する両立支援制度を示した図。1つ目は病気やけが、予防接種や健康診断の場面で、子の看護等休暇が対応し小学校3年生修了までの子が1人なら年5日、2人以上なら年10日まで1日または時間単位で取得できる。2つ目は感染症による学級閉鎖や入園式・卒園式の場面で、令和7年4月から子の看護等休暇の取得理由に追加された。3つ目は保育園や学童のお迎えに間に合わない場面で、所定外労働の制限による残業免除が小学校就学前の子まで、時間外労働の制限が月24時間・年150時間まで、深夜業の制限が午後10時から午前5時まで対応する。4つ目は働き方そのものを組み替えたい場面で、3歳未満は短時間勤務制度が原則1日6時間、3歳から小学校就学前は柔軟な働き方を実現するための措置から1つを選んで利用できる。
図1:制度名から覚えるより、家庭で起きる場面から逆引きするほうが実際に使いやすくなります。対象となる子の年齢が制度ごとに違う点が要注意です。

まず子どもが病気やけがをしたとき、予防接種や健康診断を受けさせるときに使えるのが「子の看護等休暇」です。両立支援のひろばの解説によれば、小学校3年生修了までの子どもを育てる従業員は、対象の子が1人の場合は1年度に5日まで、2人以上の場合は10日まで、1日または時間単位で取得できます。2人いる場合に「それぞれ5日ずつ」に縛られるわけではなく、どちらかの子のために10日使うこともできると明記されています。

次に保育園や学童のお迎えに間に合わない、夕方以降の時間を確保したいという場面です。ここで効くのが「所定外労働の制限」、いわゆる残業免除です。小学校就学前の子どもを育てる従業員が会社に請求すると、事業の正常な運営を妨げる場合を除いて、就業規則等で定めた所定労働時間を超える労働を制限してもらえます。これとは別に「時間外労働の制限」もあり、請求すれば1か月について24時間、1年について150時間を超える時間外労働をさせられることはありません。夜勤や遅番がある職場では「深夜業の制限」も選択肢で、午後10時から午前5時までの労働を外してもらう請求ができます。

最後が働き方そのものを組み替えたいという場面です。3歳未満の子を育てる場合は「短時間勤務制度」があり、事業主は1日の所定労働時間を5時間45分から6時間とすることを含む制度を設けることとされています。そして3歳から小学校就学前の期間には、令和7年10月から「柔軟な働き方を実現するための措置」が加わりました。ここは改正の目玉なので、あとの節で詳しく見ます。

公的情報の見方 ― 制度は「申し出て使う」もの

制度の一覧を眺めるだけでは、実際の場面で動けません。公的な資料を読むときに家庭の側が押さえておきたいのは、「どうすれば使えるのか」という手続の作法です。ここには、知っておくと大きく違う原則がいくつかあります。

第一に、会社の就業規則に書かれていなくても使える制度があるということです。両立支援のひろばの解説は、育児休業について「従業員が事業主に申し出ることによって取得できる制度であり、たとえ、就業規則等に定められていなくても取得できます」と述べています。同じ趣旨の説明が、子の看護等休暇、所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限のそれぞれについても繰り返されています。つまり、社内の資料を探して見つからなかったとしても、それが「使えない」ことの証明にはなりません。法律が定めているのは最低基準であり、厚生労働省の資料も「育児・介護休業法の規定は最低基準であり、事業主が法を上回る措置をとることは可能」と明記しています。会社の制度が法律より手厚い場合はその制度が使えますし、社内に定めがなければ法律の水準で申し出ることができる、という読み方になります。

第二に、制度ごとに申し出の期限や形式が違う点です。所定外労働の制限と時間外労働の制限は、1回につき1か月以上1年以内の期間について、開始・終了の日を明らかにして、開始予定日の1か月前までに書面等で請求します。この請求は何回も繰り返せます。深夜業の制限は1か月以上6か月以内の期間で、同じく1か月前までの請求です。育児休業も原則として開始予定日の1か月前までに、子の氏名や生年月日、休業の開始・終了予定日を明らかにして書面で申し出ます。つまり、これらは「明日から」ではなく「先を見て段取りする」制度です。

その一方で、急な事態に対応できる制度もあります。子の看護等休暇について、両立支援のひろばは当日の電話等による申出でも取得でき、業務の繁忙等を理由に会社が申出を断ることはできないと説明しています。朝になって熱が出た日にも間に合う制度だということです。ここを知らずに「急なお願いだから無理だろう」と自分で諦めてしまうのは、家庭にとって損な誤解になります。

第三に、制度を使ったことで不利に扱われないことが法律で守られている点です。育児休業や短時間勤務、子の看護等休暇、所定外労働の制限などの申出・利用を理由として、解雇その他の不利益な取扱いをすることは禁じられています。さらに事業主には、上司や同僚からの「休まれると迷惑だ」といった否定的な言動を防ぐ措置と、相談窓口の設置が義務づけられています。もしそうした言動を受けたときは、まず会社の相談窓口に、窓口がない場合や解決しない場合は都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に相談する道が用意されています。

第四に、会社の側から声をかける仕組みが強化されていることです。令和7年10月からは、事業主は労働者の子が3歳になるまでの適切な時期に、用意している制度の内容と申出先、残業免除や時間外労働・深夜業の制限に関する制度を個別に周知し、利用の意向を確認しなければなりません。さらに、本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出たときと子が3歳になる前の時期に、勤務時間帯、勤務地、両立支援制度の利用期間、仕事と育児の両立に資する就業の条件について意向を聴き、聴いた内容に配慮することも義務づけられました。家庭の側から見れば、「面談で希望を聞かれる場面が制度として用意されている」ということです。そのときに何を伝えるかを、あらかじめ夫婦で言葉にしておくと、限られた時間を無駄にせずに使えます。

令和7年の改正で広がったこと

育児・介護休業法は令和6年5月に改正され、令和7年4月1日と10月1日の二段階で施行されました。厚生労働省のリーフレット「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」から、家庭に直接関わる部分を確認しておきます。

令和7年4月に変わったのは、まず子の看護休暇の見直しです。対象となる子の範囲が「小学校就学の始期に達するまで」から「小学校3年生修了まで」に広がりました。取得できる理由も、従来の①病気・けが、②予防接種・健康診断に加えて、③感染症に伴う学級閉鎖等、④入園(入学)式、卒園式が追加されています。名称も「子の看護休暇」から「子の看護等休暇」に変わりました。取得できる日数そのものは、1年間に5日、子が2人以上の場合は10日から変更はありません。あわせて、労使協定によって継続雇用期間6か月未満の労働者を対象から除外できる規定が廃止されました。

学級閉鎖と入園式・卒園式が加わったことは、家庭にとってかなり実感のある変化です。学級閉鎖は子ども自身が元気でも起きますし、入園式や卒園式は平日に設定されることが多く、これまでは年次有給休暇で対応するのが通例でした。学校行事との折り合いの付け方は学校行事や保護者会に参加しづらい時の関わり方でも扱っていますが、制度の側からも選択肢が増えた形です。

同じ令和7年4月には、所定外労働の制限(残業免除)を請求できる範囲も広がりました。従来は3歳未満の子を養育する労働者に限られていたものが、小学校就学前の子を養育する労働者まで拡大されています。3歳の誕生日で残業免除が切れていた家庭にとっては、就学前まで請求を続けられるようになったということです。また、3歳未満の子を養育する労働者がテレワークを選択できるよう措置を講じることが、事業主の努力義務となりました。

そして令和7年10月から始まったのが、柔軟な働き方を実現するための措置です。リーフレットによれば、事業主は3歳から小学校就学前の子を養育する労働者に関して、①始業時刻等の変更(フレックスタイム制、または始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ)、②テレワーク等(月に10日以上利用できるもの)、③保育施設の設置運営等(ベビーシッターの手配および費用負担など)、④養育両立支援休暇の付与(年に10日以上取得できるもの)、⑤短時間勤務制度(1日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含むもの)という五つの選択肢の中から、2つ以上の措置を選択して講じる必要があり、労働者はそのうち1つを選択して利用できるとされています。テレワーク等と養育両立支援休暇は、原則として時間単位で取得できるようにする必要があるとも書かれています。

この仕組みは、家庭にとって二つの意味を持ちます。一つは、勤務時間を短くする以外の選択肢が制度として立ったことです。収入を減らさずに始業時刻をずらす、あるいは月10日のテレワークで送りとお迎えを回すという組み方が選べるようになりました。もう一つは、会社が何を選んだかによって家庭の使える札が変わるということです。五つのうちどの2つ以上を用意しているかは会社ごとに違うため、まず自分の会社が何を選んだのかを確認する作業が必要になります。

データで見る、いまの使われ方

制度がある一方で、実際にどのくらい使われているのかも見ておきましょう。厚生労働省 雇用環境・均等局 職業生活両立課がまとめた「令和6年度育児休業取得率の調査結果(雇用均等基本調査)のポイントについて」によれば、令和6年度の育児休業取得者の割合は女性86.6%、男性40.5%でした。男性は令和5年度の30.1%から10ポイント以上伸び、公表されている推移の中で最も高い水準です。政府目標として、令和7(2025)年に50%、令和12(2030)年に85%という数字も掲げられています。

ただし、この資料は取得期間についても数字を示しています。女性は9割以上が6か月以上取得している一方、男性は取得期間が徐々に延びてきてはいるものの、約4割が2週間未満にとどまっていると整理されています。令和5年度の内訳では、5日未満が15.7%、5日から2週間未満が22.0%です。「取った人の割合」が増えても、「どれだけの期間、家庭の側に立てたか」はまだ差がある、という読み方になります。

この数字は、家庭に「うちも取らなければ」というプレッシャーをかけるためのものではありません。むしろ、制度を使うことが例外的なふるまいではなくなってきている、という確認として読むのが健全だと思います。周囲に前例が少ない職場では、制度を申し出るときに気後れしがちですが、社会全体としては利用が広がる方向にあり、法律も会社に対して周知や意向確認を義務づける方向に動いています。制度を使うかどうかは家庭ごとの事情で決めればよく、どちらが正解ということはありません。ただ、選択肢を知らないまま「使えない」と決めてしまう状態は、避けたいところです。

もう一つ添えておくと、休業や短時間勤務の期間に賃金の支払義務があるかどうかは制度によって異なり、雇用保険からの給付が用意されている場合があります。厚生労働省の資料では、育児休業について育児休業給付、夫婦がともに14日以上の育児休業を取得した場合の出生後休業支援給付、2歳に満たない子を養育するために時短勤務をした場合の育児時短就業給付などが挙げられています。給付の要件や率は制度改正で変わるため、金額の見込みは必ず最新の公式情報とご自身の加入状況で確認してください。この記事では個別の家計や手取りの試算には踏み込みません。

夫婦で先に決めておく3ステップ

制度の中身が分かったら、次は「わが家でどう使うか」です。子どもが熱を出した朝に条文を調べる余裕はありませんから、落ち着いているうちに決めておくのが実際的です。次の3ステップは、平日の夜30分あれば一度目を通せる分量にしてあります。

両立支援制度を家庭で使うための3ステップを示した図。ステップ1は自分の会社の札を調べるで、就業規則や育児介護休業規程を見て子の看護等休暇や残業免除、柔軟な働き方の措置として会社が選んだ2つ以上の制度と申出先を確認する。ステップ2は場面ごとに担当を決めるで、病気の1日目と2日目、行事、残業免除をどちらが請求するかをあらかじめ話しておく。ステップ3は段取りを紙にするで、当日の連絡方法と1か月前までに請求する制度の期限、面談で伝えたい希望を書き出して共有する。
図2:「調べる → 担当を決める → 段取りを紙にする」の順に進めると、急な日に迷う時間を減らせます。

①自分の会社の札を調べる。夫婦それぞれが、自分の勤め先で何が使えるのかを確認します。就業規則や育児・介護休業に関する規程が社内で公開されているならそこを見て、見つからなければ人事労務の担当部署に問い合わせます。確認したいのは、子の看護等休暇の申請方法(当日の連絡が可能か、時間単位で取れるか)、残業免除や時間外労働・深夜業の制限の請求先と書式、そして3歳から就学前の「柔軟な働き方を実現するための措置」として会社が五つのうちどれを選んでいるか、です。社内に定めが見つからない場合も、法律の水準では使える制度がある点を思い出してください。

②場面ごとに担当を決める。札が分かったら、家庭の場面と担当を組み合わせます。病気の1日目はどちらが休むか、2日目以降はどうするか、学級閉鎖の日は誰が対応するか、入園式や卒園式は両方出るのか片方かで済ませるのか。残業免除や柔軟な働き方の措置は、夫婦の両方が同時に使う必要はありません。「平日の夕方はこちらが確実に帰る、そのぶん朝の送りはもう一方」といった組み合わせで、家庭全体としてつじつまが合えば十分です。分担の話し合いが感情的になりやすい家庭では、共働きの家事・育児分担を「見える化」して不公平感を減らすの見える化の手順が土台になります。

③段取りを紙にする。決めたことを、短いメモにして共有します。急な日の連絡先と連絡順、子の看護等休暇の申し出方、1か月前までに請求が必要な制度とその期限、そして会社から意向を聞かれたときに伝えたい希望——この四つが書いてあれば十分です。紙でも共有メモでもかまいませんが、当日に慌てて探さない場所に置いておくことが大切です。制度の内容は改正で変わるため、年度の初めなど区切りのタイミングで一度見直すと、情報が古びません。

家庭で試す3つの工夫

家庭で試す3つの工夫

  • ① 有給と看護等休暇を「別の財布」として数える:年次有給休暇の残日数と、子の看護等休暇の残日数を分けて把握します。看護等休暇は子どもが1人なら年5日、2人以上なら年10日が上限で、1日単位でも時間単位でも使えます。通院の付き添いなら半日で足りることもあり、時間単位で使えば残りを他の日に回せます。「どちらの財布から出すか」を意識するだけで、有給の減り方が変わります。
  • ② 年間の行事を先に洗い出して、請求の期限に乗せる:入園式・卒園式・運動会・保護者会など、日付が早めに分かる行事は年度の初めに一覧にします。残業免除のように1か月前までの請求が必要な制度は、この一覧があると期限に間に合わせやすくなります。行事の日は「休む」だけでなく「その週は残業を入れない」という形でも守れます。
  • ③ 会社から意向を聞かれる場面に、答えを用意しておく:令和7年10月からは、子が3歳になる前の時期などに、勤務時間帯・勤務地・制度の利用期間・就業の条件について会社が意向を聴くことになっています。その場で考えると遠慮が先に立ちがちなので、「始業を30分遅らせたい」「週2日はテレワークにしたい」といった希望を、事前に夫婦で言葉にしておきます。希望が通るかは職場の状況によりますが、伝えなければ配慮の対象にもなりません。

声かけの言い換え

声かけの言い換え例

「また休むの? 有給もうないよね」→ 相手を責める形になり、次から言い出しにくくなる。制度の札を一緒に数える会話に置き換える。

「今回は看護等休暇が使えるか、会社に聞いてみない?」→ 有給以外の選択肢に目を向けられ、負担の偏りも見直しやすい。

「うちの会社はそういうの無理だから」→ 就業規則に定めがなくても法律の水準で使える制度がある。確かめる前に諦めない。

「申出先だけ確認してみるね」→ 全部を決めなくても、窓口を知るだけで次の一歩が具体になる。

確認するチェックリスト

家庭で確認するチェックリスト

  • 子の看護等休暇の残日数と申し出方(当日連絡・時間単位の可否)を、夫婦それぞれの会社について把握している。
  • 残業免除・時間外労働の制限・深夜業の制限のうち、わが家に必要なものと請求先・期限を確認している。
  • 3歳から就学前の「柔軟な働き方を実現するための措置」として、会社が何を選んでいるかを知っている。
  • 病気の日・学級閉鎖の日・行事の日について、誰がどう対応するかを事前に話している。
  • 会社から両立の意向を聞かれたときに伝えたい希望を、夫婦で言葉にしてある。

気をつけたいこと・相談先

家庭の工夫だけで抱え込まないために

ここで紹介したのは、育児・介護休業法に基づく制度の一般的な考え方です。実際に使えるかどうかや手続の詳細は、雇用形態、勤続期間、労使協定の有無、会社の規程によって変わります。たとえば短時間勤務は1日の所定労働時間が6時間以下の方は対象になりませんし、勤続1年未満などの労働者を労使協定で除外している会社もあります。深夜業の制限には、深夜に子を保育できる同居の家族がいる場合は対象外という条件もあります。制度は改正が続いており、給付の要件や率も変わります。金額や適用の可否を判断する前に、必ず勤務先の担当部署と厚生労働省の最新の公式情報でご確認ください。本記事は、個別の労働条件や給付額、家計についての助言を行うものではありません。

制度について詳しく知りたいとき、あるいは「育児休業を利用したらパートタイムになるよう言われた」「短時間勤務を使ったら働かない時間以上に減額された」といった困りごとが起きたときは、家庭の中だけで抱え込まないでください。都道府県労働局雇用環境・均等部(室)が、法律の周知や事業主への指導、労働者からの相談受付、従業員と事業主の間の紛争解決援助を行っています。制度の申出や利用について上司や同僚から否定的な言動を受けた場合は、事業主に防止措置と相談窓口の設置が義務づけられているため、まず会社の相談窓口へ、窓口がない場合や解決しない場合は同じく労働局へ相談する選択肢があります。子ども自身の体調や様子について不安があるときは、医療機関や学校、自治体の相談窓口を頼ってください。

出典・参考

  • 厚生労働省「育児・介護休業法について」
    令和6年5月に育児・介護休業法および次世代育成支援対策推進法が改正され、令和7年4月1日から段階的に施行されたこと、改正の柱が子の年齢に応じた柔軟な働き方を実現するための措置の拡充などであること、育児休業給付・出生後休業支援給付(夫婦ともに14日以上の育児休業取得で最大28日、給付率13%)などの給付が用意されていることの根拠。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html(確認日 2026-07-27)。
  • 厚生労働省 リーフレット「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内」(令和6年11月作成・令和6年12月改訂、リーフレット№17)
    子の看護休暇の対象が小学校就学の始期から小学校3年生修了までに拡大され、取得事由に感染症に伴う学級閉鎖等・入園(入学)式・卒園式が追加されて「子の看護等休暇」に名称変更されたこと、取得可能日数は年5日・子が2人以上で10日から変更がないこと、所定外労働の制限の対象が3歳未満から小学校就学前に拡大されたこと、3歳未満の子を養育する労働者のテレワークが努力義務化されたこと、令和7年10月から3歳〜小学校就学前について事業主が5つの措置(始業時刻等の変更/テレワーク等 月10日以上/保育施設の設置運営等/養育両立支援休暇 年10日以上/短時間勤務制度)から2つ以上を選び労働者が1つを選択して利用できること、子が3歳になる前の個別周知・意向確認および意向聴取・配慮が義務化されたことの根拠。https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001259367.pdf(確認日 2026-07-27)。
  • 厚生労働省「両立支援のひろば」働く方々へのお役立ち情報 Q6「子どものための看護等休暇を取りたい」
    小学校3年生修了までの子を育てる従業員が、子が1人なら1年度に5日、2人以上なら10日まで1日または時間単位で取得できること、2人いる場合にどちらかの子のために10日取得することもできること、当日の電話等による申出でも取得でき業務の繁忙等を理由に会社が断ることはできないこと、就業規則等に規定がなくても本人の申出で利用できることの根拠。https://ryouritsu.mhlw.go.jp/qa01_06.html(確認日 2026-07-27)。
  • 厚生労働省「両立支援のひろば」働く方々へのお役立ち情報 Q5「育児中のため、残業を免除(所定外労働を制限)してほしい」/Q7「残業(時間外労働)を制限してほしい」/Q8「深夜に働かないことを希望する」/Q4「所定労働時間の短縮措置(短時間勤務制度)を利用したい」
    残業免除の対象が小学校就学前の子を養育する従業員に拡大されたこと、時間外労働の制限が月24時間・年150時間であること、深夜業の制限が午後10時から午前5時までで1か月以上6か月以内の期間について1か月前までに請求すること、所定外労働・時間外労働の制限は1か月以上1年以内の期間について1か月前までに書面等で請求し何回でも繰り返せること、短時間勤務が3歳未満の子を育てる従業員を対象に1日5時間45分〜6時間とすることを含む制度とされ1日の所定労働時間が6時間以下の従業員は対象外であること、2歳未満の子の時短勤務には育児時短就業給付(賃金の10%)があること、いずれの制度も就業規則等に規定がなくても本人の請求で利用でき不利益取扱いが禁じられていることの根拠。https://ryouritsu.mhlw.go.jp/qa01_05.html(確認日 2026-07-27)。
  • 厚生労働省 雇用環境・均等局 職業生活両立課「令和6年度育児休業取得率の調査結果(雇用均等基本調査)のポイントについて」
    令和6年度の育児休業取得者の割合が女性86.6%・男性40.5%(令和5年度は女性84.1%・男性30.1%)であること、男性の取得期間は徐々に延びているものの約4割が2週間未満であること(令和5年度は5日未満15.7%・5日〜2週間未満22.0%)、政府目標が令和7年50%・令和12年85%であることの根拠。https://tomoiku.mhlw.go.jp/assets/pdf/activity/document_R6.pdf(確認日 2026-07-27)。
  • 厚生労働省「両立支援のひろば」働く方々へのお役立ち情報 Q14「困ったときはどこに相談したらいいの?」/Q15「上司や同僚から嫌がらせを受けたらどうしよう?」
    都道府県労働局雇用環境・均等部(室)が法律の周知・事業主への指導・労働者からの相談受付・紛争解決援助を行っていること、「育児休業を利用したらパートタイム従業員になるよう言われた」「短時間勤務を利用したら働かない時間以上に減額された」といった相談を受け付けていること、育児休業等に関するハラスメントの防止措置と相談窓口の設置が事業主に義務づけられており、窓口がない場合等は労働局に相談できることの根拠。https://ryouritsu.mhlw.go.jp/qa01_14.html(確認日 2026-07-27)。

この記事について

本記事は、共働き家庭が子どもの用事で仕事を休んだり働き方を調整したりする場面について、厚生労働省が公表している一般的な情報を整理したものであり、個別の労働条件・給付額・家計についての助言や、制度の適用可否の判断を行うものではありません。制度の要件や手続は、雇用形態、勤続期間、労使協定の有無、会社の規程によって異なり、法改正によって変わります。記載内容は確認日時点の公表資料に基づくものです。実際に利用する際は、勤務先の人事労務担当部署と、厚生労働省および都道府県労働局の最新の公式情報でご確認ください。制度の利用をめぐって困ったことが起きたときは、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)にご相談ください。

筆者コメント