思春期の子と心の距離が縮まる。親子で観たい、語り合いたい名作映画3選
「最近、子どもとの会話が減ったな…」「部活や勉強で忙しいみたいだけど、何を考えているのか分からない…」思春期のお子さんを持つ親御さんなら、誰もが一度は感じる寂しさや戸惑いではないでしょうか。何を話せばいいか分からなくても、一つの作品を一緒に観る時間は、心の壁をそっと取り払ってくれる魔法のようなひとときです。エンタメは、親子の新しい共通の話題を作る最高のきっかけになります。そこで今回は、子育て情報サイト『parents.jp』編集部が、小学生高学年から高校生のお子さんと親御さんが一緒になって本気で楽しめる、少し大人向けのエンタメ作品を3つ厳選しました。見終わった後、きっと語り合いたくなるはずです。
スタンド・バイ・ミー
| ジャンル | 青春ドラマ映画 |
| ターゲット年齢 | 中学生~高校生 |
親子で語り合いたいポイント
1986年に公開されて以来、世代を超えて愛され続ける不朽の名作。スティーヴン・キングの短編小説を原作にしたこの物語は、12歳の少年4人が「行方不明になった少年の死体を探しに行く」という、少しショッキングな冒険を描いています。しかし、本作の核はセンセーショナルな出来事ではなく、少年たちが旅の過程で経験する友情、葛藤、そして「少年時代の終わり」です。
主人公のゴーディは作家の才能がありながらも、優秀だった亡き兄と比べられ、父親から認められていないという劣等感を抱えています。親友のクリスは、不良一家に生まれたというレッテルに苦しみ、自分の未来を諦めかけています。他にも、精神を病んだ父を持つテディ、気弱なバーンと、それぞれが家庭環境に複雑な悩みを抱えています。この旅は、彼らが初めて自分たちの「痛み」を共有し、互いを認め合うための通過儀礼なのです。
特に注目したいのは、クリスがゴーディの才能を心から信じ、「お前はこんな町にいるべきじゃない」と涙ながらに訴えるシーン。ただ一緒にいて楽しいだけでなく、相手の可能性を信じ、時には厳しい言葉で未来を後押しすることこそが、真の友情なのだと教えてくれます。見終わった後、「もしこの4人だったら誰に一番共感する?」「あなたにとっての『親友』ってどんな存在?」と、お子さんと友情について深く語り合ってみてはいかがでしょうか。親世代にとっては懐かしく、子世代にとっては新鮮な、友情の原点がここにあります。
リトル・ミス・サンシャイン
| ジャンル | コメディドラマ映画 |
| ターゲット年齢 | 中学生~高校生 |
親子で語り合いたいポイント
もしあなたの家族が「完璧」でなかったとしても、それは最高の家族になれる証かもしれません。本作は、それぞれが問題を抱えたバラバラの家族が、末娘オリーヴの夢である美少女コンテストに出場するため、オンボロの黄色いワゴンでアメリカを横断するロードムービーです。
自己啓発書に傾倒するも事業に失敗した父、ニーチェを信奉し空軍パイロットになるまで誰とも口をきかないと誓った兄、ゲイで失恋し自殺未遂した叔父、そしてヘロインを嗜む破天荒な祖父。この「負け組」だらけの一家が、旅の道中で次々とトラブルに見舞われながらも、少しずつ絆を取り戻していく様子が、ユーモアとペーソスたっぷりに描かれます。
クライマックスの美少女コンテストのシーンは圧巻です。周りの出場者が完璧な笑顔とパフォーマンスを披露する中、オリーヴは亡き祖父が振り付けた、お世辞にも上手とは言えないダンスを堂々と踊り始めます。会場が凍り付く中、家族は誰一人彼女を止めず、次々とステージに上がって一緒に踊りだすのです。このシーンは、「勝ち負けだけがすべてじゃない」「世間の価値観に合わせる必要なんてない。ありのままの君が最高だ」という、この映画の最も大切なメッセージを体現しています。多感な時期に、他人と比べて落ち込んだり、自分らしさに悩んだりするお子さんの心を、きっと温かく解きほぐしてくれるはず。「この家族の中で、誰が一番好き?」「『自分らしくいる』って、どういうことだと思う?」そんな対話から、家族の価値を再発見できる作品です。

シング・ストリート 未来へのうた
| ジャンル | ミュージカル青春映画 |
| ターゲット年齢 | 中学生~高校生 |
親子で語り合いたいポイント
「好きなあの子を振り向かせたい!」そんな単純な動機が、人生を変えるほどの情熱に火をつけることがあります。1980年代のアイルランド・ダブリンを舞台に、さえない少年コナーが、一目惚れした少女のために急ごしらえでバンドを組むことから物語は始まります。
親の不仲や転校先でのいじめなど、憂鬱な現実に押しつぶされそうだったコナー。しかし、仲間と音楽を作り始め、自分たちでミュージックビデオを撮影するうちに、彼は「表現すること」の喜びに目覚めていきます。デュラン・デュラン、ザ・キュアー、ザ・ジャムといった当時の人気バンドのスタイルを真似しながら、次第に自分たちだけのオリジナルソングを生み出していく過程は、観ているこちらもワクワクが止まりません。音楽が、彼に自信と世界を変える力を与えてくれるのです。
この映画のもう一つの魅力は、コナーと音楽好きの兄ブレンダンとの絆です。兄は、コナーにとって最高の音楽の師であり、夢を託す存在。彼の「ロックンロールはリスクだ。リスクを冒さないとダサいぜ」という言葉は、何かに挑戦しようとするとき、きっと背中を押してくれるはずです。見終わった後には、ポジティブなエネルギーが心に満ち溢れるでしょう。「もしバンドを組むならどんな音楽をやりたい?」「今、一番夢中になっていることは何?」とお子さんの情熱のありかを探ったり、親御さんが好きだった音楽を共有したりするのも素敵な時間になるはずです。
まとめ
いかがでしたか?今回ご紹介した『スタンド・バイ・ミー』『リトル・ミス・サンシャイン』『シング・ストリート』は、それぞれ友情、家族、夢という普遍的なテーマを扱いながら、思春期特有の心の揺れ動きを見事に描いた名作ばかりです。これらの作品は、単なる娯楽としてだけでなく、親子の対話を深め、お互いの価値観を知るための素晴らしいツールになります。鑑賞後に「どうだった?」と感想を尋ねるだけで、普段は聞けないお子さんの本音や、意外な一面を発見できるかもしれません。ぜひ、次の週末にでもお子さんと一緒に鑑賞して、新しい共通の話題を見つけてみてください。
※免責事項:本記事で紹介する作品の対象年齢(レーティング)や配信状況は、記事作成時点のものです。視聴・購入の際は、公式サイトや各プラットフォームで最新の情報をご確認ください。また、作品のテーマに触れる上で、軽微なネタバレを含む場合がありますのでご了承ください。
