「最近、子どもとの会話が減ったな…」「思春期の子どもと、どんな映画やドラマを観たらいいか分からない…」そんな悩みを抱える保護者の方も多いのではないでしょうか。趣味や興味が多様化する思春期の子どもと、共通の話題を見つけるのは難しいもの。しかし、映画や物語の世界は、世代を超えて心を通わせる最高のきっかけになります。今回は、子育て情報サイト『parents.jp』編集部が、小学生高学年から高校生のお子さんと、親が一緒になって本気で楽しめる、少し大人向けのエンタメ作品を3つ厳選しました。ただ面白いだけじゃない、観終わった後にきっと会話が弾む、そんな作品をご紹介します。
ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語
| ジャンル | ドラマ映画 |
| ターゲット年齢 | 小学生高学年~高校生 |
親子で語り合いたいポイント
ルイザ・メイ・オルコット不朽の名作を、グレタ・ガーウィグ監督が現代的な視点で瑞々しく描き出した本作。南北戦争時代を生きるマーチ家の四姉妹、それぞれの夢と葛藤、そして深い絆の物語です。この作品の魅力は、単なる美しい姉妹の物語に留まらない点にあります。伝統的な価値観の中で、作家になる夢を追う次女ジョー、家庭を大切にする長女メグ、内気ながらも音楽の才能を秘めたベス、そして情熱的で現実的なエイミー。彼女たちの生き方は、現代を生きる私たちにも「自分らしい幸せとは何か?」という普遍的な問いを投げかけます。親世代は自らの青春時代を懐かしく思い出し、子どもたちは自分の将来や夢を彼女たちの姿に重ね合わせるでしょう。「もし自分なら、どの姉妹の生き方に共感する?」「結婚や仕事について、どう思う?」といった対話は、子どもの価値観を知る絶好の機会です。また、時にぶつかり合いながらも、最後には互いを支え合う姉妹の姿は、家族の温かさや大切さを改めて感じさせてくれます。映像の美しさも相まって、心に深く残る鑑賞体験となるはずです。
シャーロック・ホームズ シリーズ
| ジャンル | ミステリー・アクション映画 |
| ターゲット年齢 | 中学生~高校生 |
親子で語り合いたいポイント
世界一有名な名探偵が、スタイリッシュなアクションヒーローとしてスクリーンを駆け巡る!ガイ・リッチー監督によるこのシリーズは、古典ミステリーの知的な魅力と、現代的な映像表現が融合した、最高のエンターテインメントです。最大の魅力は、なんといってもシャーロック・ホームズの超人的な観察眼と推理力。事件の断片から瞬時に全体像を組み立てる彼の思考プロセスは、観る者の知的好奇心を大いに刺激します。「犯人は誰だろう?」「あの伏線は何を意味するんだろう?」と、親子でスクリーンに向かって一緒に謎解きを楽しめるのが醍醐味です。また、天才肌で風変わりなホームズと、常識的で誠実なワトソンとの絶妙なコンビネーションも見どころ。なぜ正反対の二人が最高のパートナーなのか、彼らの友情の形について語り合うのも面白いでしょう。19世紀末のロンドンの猥雑で活気ある雰囲気も見事に再現されており、歴史好きな子どもならさらに楽しめるはず。複雑な事件の裏に隠された人間の動機や社会問題に触れることで、「正義とは何か?」といった少し踏み込んだテーマについて考えるきっかけにもなります。鑑賞後は、トリックの答え合わせで盛り上がること間違いなしです。
アリス・イン・ワンダーランド
| ジャンル | ファンタジー・アドベンチャー映画 |
| ターゲット年齢 | 小学生高学年~中学生 |
親子で語り合いたいポイント
誰もが知るルイス・キャロルの物語を、鬼才ティム・バートン監督が独自のゴシックでダークな世界観で再構築した作品。本作のアリスは19歳。望まぬ結婚から逃げ出した先で、再びあの「不思議の国(アンダーランド)」へと迷い込みます。この物語の核心は、アリスの「自己発見の旅」です。決められた運命に抗い、自らの意志で未来を切り開いていく彼女の姿は、まさに「自分とは何者か」を模索し始める思春期の子どもの心に響くでしょう。「自分らしさってなんだろう?」「周りに流されず、自分の考えを持つことの大切さ」について、親子で話し合う良いきっかけになります。また、マッドハッターやチェシャ猫といった奇妙で愛すべきキャラクターたちの造形も魅力の一つ。彼らの言動に隠された哲学的な意味を探ったり、「どのキャラクターが一番好き?その理由は?」と語り合ったりするのも楽しい時間です。ティム・バートン特有の少し不気味で美しい映像世界は、子どもたちの想像力を掻き立てます。「常識」や「普通」とは何かを問い直すこの物語は、多様な価値観を受け入れる大切さを教えてくれる、示唆に富んだ一作です。
いかがでしたでしょうか。今回は、家族の絆を描く感動的なドラマから、頭脳を刺激するミステリー、そして自分らしさを見つけるファンタジーまで、テイストの異なる3作品をご紹介しました。エンターテインメントは、ただ楽しむだけでなく、親子のコミュニケーションを豊かにしてくれる素晴らしいツールです。作品の世界観に浸り、登場人物の生き方に心を寄せ、そして鑑賞後にはぜひ感想を語り合ってみてください。きっと、普段は聞けない子どもの本音や、新たな一面を発見できるはず。この週末は、家族で映画鑑賞の時間を設けてみてはいかがでしょうか。
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