3行まとめ
- 学校が扱う内容と時期は決まっている。小学校4年で「体の発育・発達」(体つきの変化・初経・精通・変声・発毛)、小学校5年で「心の発達と不安や悩みへの対処」、中学校1年で「生殖に関わる機能の成熟」。まず、いつ何を習うのかを親が知っておくだけで、切り出す口実ができる。
- 学習指導要領解説は、この指導について「保護者の理解を得ることなどに配慮することが大切」と小・中どちらにも明記している。同時に、中学校では「妊娠の経過は取り扱わない」といった扱いの線も引かれている。学校が全部を引き受ける設計にはなっていない。
- 家庭にできることは、特別な講義ではない。比べる言葉を減らし、聞かれたら答えられる状態を用意し、答えられないことは一緒に公式情報で調べる。学校の資料が繰り返し置いているのは、進み方の違いを肯定的に受け止める、という視点のほうである。
この記事でわかること
- 思春期のからだについて、学校が何年生で何を扱うことになっているのか
- 学習指導要領解説が「保護者の理解」と「肯定的に受け止めること」に触れている箇所
- 統計から見える、伸びる時期の男女差と同学年内の幅の大きさ
- 「異性への関心」という教科書の言葉を、家庭でどう扱うと決めつけにならないか
- 気まずさを増やさずに扉を開けておくための、具体的な声かけと相談先
「保健の授業、あったんでしょ」で止まる会話
きっかけは、たいてい小さなことです。学校からのお便りに「体の発育・発達について学習します」と一行だけ書かれている。下着売り場の前で子どもが黙って先に行ってしまう。制汗剤を勝手に買っていた。あるいは、洗濯物のなかに今までなかったものが混じっている。何かが動き始めているのは分かるのに、こちらから触れると踏み込みすぎな気がして、結局「保健の授業、あったんでしょ。ちゃんと聞いてた?」で終わってしまう。子どもは「聞いてたよ」と答え、会話はそこで閉じます。
この会話が閉じてしまうのには、理由があります。親の側が、学校で何をどこまで習ったのかを知らないまま話しかけているからです。知らないので、質問が「ちゃんと聞いてた?」という確認になり、確認に対して子どもが返せるのは「聞いた」か「聞いてない」しかありません。そこから先に進む枝がない。逆に、扱った内容の見当がついていれば、「初経のことも出てきた?」「体つきの変わり方って人によって全然違うって話、あった?」というように、中身に寄せた聞き方ができます。中身に寄せた質問には、「あった」「なかった」以外の答えが返ってくる余地があります。
もう一つ、切り出しにくさを増やしているのが「一回できちんと説明しなければ」という思い込みです。改まって座らせて話す場面を想像すると、こちらの心理的な負担が跳ね上がり、それが延期の理由になります。しかし後で見ていくとおり、公的な資料が家庭に求めているのはそこではありません。求められているのは、学校で扱う内容の趣旨をひととおり知っておくことと、日頃からのやりとりのなかで受け止められる状態を保っておくことです。改まった一回より、短くて何回もあるやりとりのほうが、設計としては近い。
そしてもう一つ、親の側にある事情も無視できません。自分が子どもの頃、この話をきちんとしてもらった記憶がない人は少なくないはずです。手本がないので、どんな口調で、どこまで言えばいいのかが分からない。分からないから「学校が教えてくれるだろう」に寄りかかる。この記事は、その寄りかかりを責めるためのものではありません。学校が実際にどこまでを引き受けていて、どこから先が空白として残るのかが分かれば、家庭が担う範囲はかなり具体的になり、負担も見積もれるようになります。まずは、その地図から確かめます。
公的情報の見方 ― 学校は、いつ何を扱っているか
学校で教える内容は、学習指導要領で定められています。そして、その各項目が何を意味するのかを説明したものが「解説」です。思春期のからだについては、小学校では体育科の保健領域、中学校では保健体育科の保健分野が扱います。まず、時期と内容を確かめます。
小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 体育編によると、保健領域の「体の発育・発達」は第4学年で指導することになっています(内容の取扱い(5)に、(1)を第3学年、(2)を第4学年で指導する、と明記されています)。そこで扱われる中身は三つに分かれています。一つ目が、身長・体重などが年齢に伴って変化し、そこには個人差があること。二つ目が思春期の体の変化で、解説は「思春期には、初経、精通、変声、発毛が起こり、また、異性への関心も芽生えることについて理解できるようにする」と書いています。あわせて、体つきについては「人によって違いがあるものの、男子はがっしりした体つきに、女子は丸みのある体つきになるなど、男女の特徴が現れる」という説明が置かれ、さらに「これらは、個人差があるものの、大人の体に近づく現象である」と理解できるようにする、と続きます。三つ目が、体をよりよく発育・発達させるための運動・食事・休養・睡眠です。つまり小学校4年の段階で、初経も精通も、名前としてはすでに授業に登場しています。
ここで、家庭にとって直接効いてくる二つの記述があります。一つは、思春期の体の変化の説明のすぐ後ろに置かれた一文です。「なお、指導に当たっては、発達の段階を踏まえること、学校全体で共通理解を図ること、保護者の理解を得ることなどに配慮することが大切である」。同じ趣旨の文は、中学校の解説にも、生殖に関わる機能の成熟の説明の直後にそのまま置かれています。学校が単独で完結させる前提ではなく、家庭に伝わっていることが条件として書き込まれている、ということです。お便りが配られたり、事前に説明があったりするのは、この配慮の具体化にあたります。裏返せば、内容が分からなければ学校に聞いてよい、というのは制度上まったく自然な行動です。
もう一つが、同じく小学校の内容の取扱いにある(7)です。「内容の『G保健』の(2)については、自分と他の人では発育・発達などに違いがあることに気付き、それらを肯定的に受け止めることが大切であることについて触れるものとする」。この一文は、授業のねらいが「知識を覚えること」だけに置かれていないことを示しています。違いがあると知ることと、その違いを肯定的に受け止めること。この二つ目のほうは、授業で一度触れて終わるものではなく、日常の言葉づかいのなかで積み重なるものです。家庭が引き受けるべき部分がどこかを探すなら、ここがいちばんはっきりしています。
小学校5年では、内容が「心の健康」に移ります。心の発達、心と体の密接な関係、そして不安や悩みへの対処。からだの変化そのものではありませんが、変化の時期に生じる気持ちの揺れを扱う枠が、翌年にちゃんと用意されている構成です。からだの話と気持ちの話が別々の学年に置かれていることは、家庭の側でも覚えておくと役に立ちます。子どもが不機嫌になったり落ち込んだりしている理由を、体の変化だけに結びつけて説明しようとすると外すことがあるからです。
中学校では、1年生で「心身の機能の発達と心の健康」を扱います(中学校の内容の取扱い(1)で、(2)は第1学年で取り扱うと定められています)。解説の記述はこうです。思春期には下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンの働きにより生殖器の発育とともに生殖機能が発達し、男子では射精、女子では月経が見られ、妊娠が可能となることを理解できるようにする。そして、身体的な成熟に伴う性的な発達に対応し、個人差はあるものの、性衝動が生じたり、異性への関心などが高まったりすることなどから、異性の尊重、性情報への対処など性に関する適切な態度や行動の選択が必要となることを理解できるようにする、と続きます。小学校では現象の名前を知る段階だったものが、中学校では「では、どう振る舞うか」まで踏み込む設計になっています。
ここで、親としてはあまり知られていない線引きにも触れておきます。中学校の内容の取扱い(7)には、この項目について「妊娠や出産が可能となるような成熟が始まるという観点から、受精・妊娠を取り扱うものとし、妊娠の経過は取り扱わないものとする」と書かれています。受精や妊娠そのものは扱うけれど、妊娠がどう経過していくかは中学校の保健では扱わない、という区切りです。この一文をどう評価するかは立場によって分かれるところですが、家庭にとって実務的な意味ははっきりしています。学校の授業を受けたからといって、子どもが抱く疑問の全部に授業内で答えが出るわけではない。だから、授業の後に家で質問が出てくるのは想定内のことで、「学校で習ったでしょう」で返すと、その疑問は行き場を失います。なお中学校の保健分野は3学年間で48単位時間程度と定められており、けがの防止や健康と環境なども含めた全体をこの時間内で扱います。学校が使える時間そのものにも限りがある、ということです。
もう一点、資料の読み方として押さえておきたいことがあります。ここで引いた解説は、あくまで「学校がどう教えるか」を書いた文書であって、家庭向けの指南書ではありません。家庭が同じ順番・同じ言葉で教える必要はまったくありませんし、そうすべきだとも書かれていません。この記事が解説を引いているのは、家庭に手順を課すためではなく、学校が引き受けている範囲を知ることで、家庭が引き受ける範囲を小さく確定できるからです。全部を家庭でまかなおうとすると腰が重くなりますが、「4年生で名前は習っている」「中1で行動の選択まで扱う」と分かっていれば、家庭に残るのは主に、その子自身に起きていることの受け止め方と、聞かれたときの答え方に絞られます。
統計から見える、進み方の幅
「個人差がある」という言葉は、資料のなかに何度も出てきます。ただ、言葉で言われるだけでは、実感としてどれくらいの幅なのかがつかめません。そこで、文部科学省の学校保健統計を見てみます。この調査は学校保健安全法に基づく健康診断の結果をもとにしたもので、昭和23年度から毎年実施されています。令和7年度の結果(令和8年2月13日公表)では、発育状態の調査は全幼児・児童・生徒の5.2%にあたる647,623人を抽出して行われました。
公表されている年齢別の身長の平均値から、隣り合う年齢の差を計算してみます(以下は公表値をもとにした本記事の計算です)。男子は、9歳から10歳で5.5cm、10歳から11歳で6.6cm、そして11歳から12歳で7.7cmと、この区間がもっとも大きくなります。女子は、8歳から9歳で6.3cm、9歳から10歳で7.1cmが最大で、以降は11歳6.5cm、12歳5.0cm、13歳2.6cmと落ち着いていきます。同じ集団の平均値どうしの比較なので個々の子の伸び方そのものではありませんが、もっとも大きく伸びる時期が、男女でおよそ2年ずれていることは読み取れます。小学校4年で保健の授業を受ける段階では、女子はすでにその時期に入っている子が多く、男子の多くはまだ入っていない。同じ教室で同じ話を聞いていても、自分の身に起きていることとして聞いている子と、まだ他人事として聞いている子が混在している、ということになります。
この2年のずれは、家庭の言葉づかいにそのまま関わります。「まだ小さいね」「もう大人みたいだね」——どちらも悪気なく出る言葉ですが、こうした比較は、その子が今どの位置にいるかを外側から評価するものです。学習指導要領解説が「違いに気付き、それらを肯定的に受け止める」と書いているのは、この評価の視線を減らすという意味だと読めます。家庭でできる実装は驚くほど単純で、比べる相手を、他の子ではなくその子自身の過去に置き換えること。「〇〇くんより背が高い」ではなく「去年の今ごろより、ずいぶん袖が短くなったね」。同じ観察でも、後者は評価ではなく事実の共有になります。
体格に関する数値の扱いにも、少し注意が要ります。同じ統計では肥満傾向児・痩身傾向児の割合も公表されており、令和7年度は男子11歳で肥満傾向児13.24%、痩身傾向児3.70%、女子11歳で10.16%と3.09%でした。この時期に体重や体型の話題が増えやすいことは数字からもうかがえますが、家庭で気をつけたいのは、その子の体型を評価する言葉として使わないことです。体つきが変わる時期は、そのこと自体を本人が持て余していることが多く、外側から数値や見た目を評価されるとよけいに閉じます。健康上の心配があるときは、家庭内での評価ではなく、学校の健康診断の結果や、養護教諭・かかりつけ医への相談という経路をとるほうが、関係を傷めずに済みます。
「異性への関心」を、決めつけに変えないために
ここまで見てきた学習指導要領解説には、小学校でも中学校でも「異性への関心」という言葉が出てきます。この言葉をそのまま家庭の会話に持ち込むと、思わぬ形で子どもを追い詰めることがあります。「そろそろ好きな子いるでしょ」「彼女できた?」という定番のからかいが、その典型です。悪意はなくても、前提として置かれている「異性を好きになるのが標準」という枠に自分が入らない子にとって、この会話は答えられない質問になります。
この点について、公的な資料は既に態度を示しています。文部科学省が教職員向けに作成したパンフレット「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について」は、まず用語の整理から始めています。性自認(性別に関する自己意識)と性的指向(恋愛対象が誰であるかを示す概念)は異なるものであり、対応に当たって混同しないことが必要である、と。この区別は家庭でも同じで、体つきの変化の話と、誰を好きになるかの話は、そもそも別のことです。前者の流れで後者を尋ねるのは、話題の混線になります。
同じ資料には、家庭にそのまま置き換えられる注意点がいくつもあります。一つは、性別に関する違和感には強弱があり、成長に従い減ずることも含め、変容があり得るとされていること。また、性自認と性的指向のいずれの違和感であるかを本人が明確に自覚していない場合があることも指摘されています。関係学会のガイドラインは特に15歳未満については診断に慎重な判断が必要としており、可能性が高い場合でもあえて診断が行われないことがある、とも書かれています。つまり、大人の側が短い観察から結論を出せるものではない、というのが前提です。
もう一つ、実務的に効くのが、把握の仕方についての記述です。資料は、当事者である児童生徒やその保護者は教職員に対しても秘匿しておきたい場合があるとしたうえで、「自ら明らかにする準備が整っていない児童生徒に対し、一方的な調査や確認が行われると、当該児童生徒は自分の尊厳が侵害されている印象をもつおそれもあります」と書き、申出がない状況で具体的な調査を行う必要はないと述べています。学校に向けた記述ですが、家庭でも構造は同じです。詮索して確かめにいくのではなく、日頃から相談しやすい状態を整えておく。資料が学校に求めているのも、まさにこの順番です。教職員が相談を受けた際は、まずは悩みや不安を聞く姿勢を示すことが重要である、とも書かれています。
制度の側も動いています。令和5年6月に「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律」(令和5年法律第68号)が公布され、文部科学省は同日付で各教育委員会等に通知を出しました。この法律の第10条第3項では、学校の設置者および学校が、家庭及び地域住民その他の関係者の協力を得つつ、児童生徒等の心身の発達段階に応じた教育又は啓発、教育環境の整備、相談の機会の確保等に努めるとされています。ここでも「家庭の協力を得つつ」という言葉が入っています。学校任せでも、家庭任せでもない設計が、繰り返し出てくることになります。
家庭での実装は、難しい知識を身につけることではありません。断定と冗談を一つずつ減らすだけで、扉は閉じずに済みます。「彼女いるの?」を「最近、仲いい人いる?」に変える。恋愛の話題を将来の結婚とセットで語らない。テレビや動画に出てくる人について、家族が笑いものにする言い方をしない。子どもは、親が誰かのことをどう語るかを聞いて、自分のことを話しても安全かどうかを測っています。何かを打ち明けられたときの準備として、いちばん効くのは日頃の言い方のほうです。
家庭で試す3つの工夫
ここまでの内容を、実際に家でやることの形にします。特別な時間をとる必要はありません。どれも、今週のうちに一度できる程度の大きさにしてあります。
家庭で試す3つの工夫
- ① 学校の予定を手がかりに、答えを求めない一言をかけておく:保健の授業がある時期は、学年ごとにおおよそ決まっています。小学校4年なら体の発育・発達、中学校1年なら心身の機能の発達。お便りや時間割を見て、その週に「今日そういう授業だった?」ではなく、「体のことって、聞きたいことが出てくるよね。いつでも聞いていいからね」と一度だけ言っておく。返事はいりません。この一言の役割は、情報を伝えることではなく、聞いてよい相手だと分かる状態にしておくことです。答えを求めないので、子どもも身構えずに済みます。
- ② 聞かれたときに困らないよう、答えの置き場所を先に決めておく:すべての質問に即答できる必要はありません。むしろ大切なのは、分からないときに「そんなこと聞かないの」で閉じないことです。学習指導要領解説を見ると、中学校では「妊娠の経過は取り扱わない」といった区切りがあり、学校の授業だけでは埋まらない部分が残る設計になっています。家庭に本を一冊置いておく、こども家庭庁など公的な情報のページをブックマークしておく。そのうえで「分からないから一緒に調べよう」と言えるようにしておくと、答えを持っていないことが会話の終わりにならずに済みます。
- ③ 比べる言葉を、その子自身の過去に置き換える:「〇〇ちゃんはもう…」「まだ子どもだね」を一週間だけ意識して減らし、代わりに「去年より袖が短くなったね」「声、この前と変わってきたね」と、その子の変化そのものを事実として言葉にします。統計を見ると、もっとも伸びる時期は男女で2年ほどずれ、同学年のなかでも幅があります。学習指導要領解説が「違いに気付き、肯定的に受け止める」ことに触れるよう求めているのは、この幅を前提にしているからです。評価をやめて観察に変えるだけで、からだの話題は安全な話題に近づきます。
声かけの言い換え
声かけの言い換え例
「保健の授業、ちゃんと聞いてた?」→ 「聞いた」「聞いてない」しか返せない確認になり、そこで会話が閉じる。
「体つきが変わる時期って、人によって全然違うらしいよ。授業でもその話出た?」→ 中身に寄せた質問にすると、答えの幅が広がる。学習指導要領解説も、個人差に触れることを求めている。
「そろそろ好きな子いるでしょ? 彼女できた?」→ 「異性を好きになるのが標準」という枠を前提にした問いで、そこに入らない子は答えられない。文部科学省の資料は、性自認と性的指向を混同しないよう求めている。
「話したくなったら聞くよ。急がなくていいよ」→ 聞き出さずに扉だけ開けておく言い方。同資料は、申出がない状況で一方的な確認をする必要はないとしている。
チェックリスト
一度試したあとに見返したいチェックリスト
- 子どもの学年で、思春期のからだについて学校が何を扱うのかを、おおよそ把握している。
- 答えを求めない一言(「いつでも聞いていいよ」)を、少なくとも一度は伝えてある。
- 分からないことを聞かれたとき、「一緒に調べよう」と返せる置き場所(本・公的サイト)がある。
- この一週間、他の子と比べる言い方を使わずに済んだ場面が一度はあった。
- 体調や発育で気になることが出たときの相談先(養護教諭・かかりつけ医・公的な相談窓口)を控えてある。
気をつけたいこと・相談先
家庭の工夫だけで抱え込まないために
ここで紹介したのは「一つの考え方」であり、すべての家庭にそのまま当てはまるものではありません。子どもの性格や、これまでの関わり方によって、話しやすい形は変わります。本記事は発育・発達の状態や心身の症状について診断したり、受診の要否を判断したりするものではありません。学習指導要領の内容や統計の数値は各資料の公表時点のものであり、改訂されることがあるため、最新の内容は各公式サイトでご確認ください。
発育の進み方や体調について気になることがあるときは、家庭内で評価せず、学校の養護教諭や健康診断の結果、かかりつけの医療機関に相談する経路をとってください。こども家庭庁は「性と健康の相談センター事業」として、思春期、妊娠、出産等の各ライフステージに応じた相談支援を都道府県・指定都市・中核市等が実施しており、思春期の健康相談も対象に含まれています。全国の窓口は同庁のサイトから、都道府県や相談内容、相談方法で検索できます。
また、子どもから性暴力の被害を打ち明けられた場合は、家庭だけで抱えないでください。性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの全国共通番号は#8891(はやくワンストップ)で、産婦人科医療やカウンセリング、法律相談などの専門機関と連携しています。文部科学省の「生命(いのち)の安全教育」指導の手引きは、被害を打ち明けられたときの聞き方として、安心して話せる場所で「誰に何をされたか」を聞き、最後に「話してくれてありがとう」と伝えること、詳細を無理に聞きすぎないこと、そして「なぜ」「どうして」という圧力をかける言葉は避け、「どういうことで」に言い換えることを挙げています。聞いた側が怒りや動揺を見せると、それ以上話ができなくなってしまうことにも注意が必要だとされています。学校向けの記述ですが、最初に話を聞くのが家族になる場面でも、そのまま役に立ちます。
出典・参考
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 体育編」
- 文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 保健体育編」(令和6年12月 一部改訂)
- 文部科学省「令和7年度学校保健統計(学校保健統計調査の結果)」(令和8年2月13日公表)
- 文部科学省「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について(教職員向け)」(平成28年4月)
- 文部科学省「『性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律』の公布について(通知)」(5文科教第592号・令和5年6月23日)
- 文部科学省「生命(いのち)の安全教育 指導の手引き(改訂版)」
- こども家庭庁「性と健康の相談センター事業の概要」
この記事について
本記事は、思春期のからだの変化について学校が扱う内容と、家庭での関わり方の工夫を、文部科学省・こども家庭庁の公的資料をもとに一般的な情報として整理したものであり、特定の子どもの発育・発達や健康状態を診断したり、医学的な判断に代わったりするものではありません。紹介した学習指導要領の記述・統計の数値・相談窓口の内容は各資料の公表時点のものであり、改訂・更新されることがあるため、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。発育や体調について心配なことがあるときは、学校の養護教諭やかかりつけの医療機関、記事中に挙げた公的な相談窓口にご相談ください。