3行まとめ
- 学校の1人1台端末は、いまや子どもがネットにつながる2番目に多い機器です。家庭に持ち帰る前提で、使い方を決めておく必要があります。
- 文部科学省は保護者と共有したいポイントとして、①端末の扱いの約束 ②個人情報とネットの特性 ③健康への配慮 ④トラブル時の連絡の仕組みの4つを挙げています。
- 健康面は「目と画面は30cm以上」「30分に1回は20秒以上遠くを見る」「就寝1時間前から使わない」と具体的な目安が示されており、家庭でこそ守りやすい内容です。
この記事でわかること
- 学校の端末が、いまの子どもの生活でどれくらいの位置を占めているか
- 文部科学省が「保護者と共有したい」として示している4つのポイントの中身
- 目・姿勢・睡眠について、数字で示されている健康の目安と家庭での守り方
- 持ち帰りが始まった日に、家庭で決めておくとよい4つのこと
「充電しといてね」で終わっていないか
金曜日の夕方、子どもがランドセルから学校のタブレットを取り出して、テーブルの上に置きます。「持ち帰りの日だから」と言われて、親がすることといえば充電器につなぐことくらい。土日のあいだ、子どもは何度かそれを開いて、宿題のドリルアプリを少しやり、そのあとは何を見ているのかよくわからない時間が続く——。そんな週末を過ごしている家庭は、けっして少なくないはずです。
戸惑うのも無理はありません。学校から配られた端末は、家庭で買い与えたスマートフォンやゲーム機とは性格が違います。学校の備品であり、設定は学校や教育委員会が管理していて、親が自由に変えられるわけではありません。かといって、家に置いてある以上、使う時間や場所は家庭の生活の中にあります。「学校のものだから学校のルールで」と言い切ってしまうと、家庭での使い方は誰も見ないままになりますし、逆に「うちのルールで」と親が全部決めようとすると、学校の指示と食い違ってしまうこともあります。
この「どちらのものか」という宙ぶらりんの感じこそが、持ち帰り端末をめぐるつまずきの正体だと言えます。そして実は、この点について国は方向性をはっきり示しています。文部科学省は令和3年3月12日の通知「GIGAスクール構想の下で整備された1人1台端末の積極的な利活用等について」の中で、端末を持ち帰って自宅等で学習に使うことは有効だとしたうえで、学校設置者に対し、学校で整備されたものを含む家庭での端末の利用に関するルール作りを促進すること、丁寧な説明により保護者や地域の十分な理解を得られるよう努めることを求めています。つまり、家庭での使い方のルールは、学校が一方的に押しつけるものでも、家庭が勝手に決めるものでもなく、両者で共通理解をつくるものとして最初から設計されている、ということです。
だとすれば、家庭の側でも「学校からの案内を待つ」だけでなく、何を確認し、何を決めておけばいいのかを知っておいたほうが、話が早くなります。以下では、まず学校の端末が子どもの生活でどんな位置にあるのかをデータで確かめ、そのうえで文部科学省が示している共有ポイントを見ていきます。
学校の端末は、もう「特別なもの」ではない
「学校のタブレットなんて、たまに持ち帰るだけでしょう」と感じる方もいるかもしれません。ところが、子どもがインターネットにつながる経路として見ると、学校の端末はすでにかなり大きな位置を占めています。こども家庭庁が令和7年3月に公表した「令和6年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、10歳から17歳の青少年のうち98.2%がインターネットを利用しており、そのために使っている機器の内訳は、スマートフォンが75.4%で最も多く、次いで「学校から配布・指定されたパソコンやタブレット等(GIGA端末)」が72.6%となっています。ゲーム機(66.5%)やテレビ(64.2%)、自宅用のパソコンやタブレット等(44.9%)を上回る数字です。
学校種別に見ると、この傾向はさらにはっきりします。GIGA端末でネットを利用していると答えた割合は、小学生(10歳以上)で75.9%、中学生で74.7%、高校生で67.7%です。つまり小学生・中学生では、学校の端末はスマートフォンと肩を並べる、あるいはそれ以上の「ネットへの入口」になっているということになります。とくに小学生の場合、自分のスマートフォンをまだ持っていない子も多く、その分だけ学校の端末が果たす役割が大きくなります。同じ調査で、6歳から9歳の小学生(低年齢層の子供の保護者への調査)でも、GIGA端末の利用は59.8%にのぼっています。
環境の整備状況も、ほぼ行き渡ったと言える段階に来ています。文部科学省の「令和6年度 学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」(調査基準日は令和7年3月1日)によれば、全国の公立学校における児童生徒1人当たりの学習者用コンピュータ台数は1.1台です。数年前まで「1人1台」は目標として語られていましたが、いまはそれが標準の状態になっている、ということです。
では、子どもは学校の端末で何をしているのでしょうか。同じこども家庭庁の調査では、GIGA端末での利用内容として最も多いのが「勉強をする」82.7%、次いで「検索する」63.0%でした。学習用途が中心であることは数字にも表れています。ただし、これは裏を返せば、残りの部分では学習以外の使い方も起きているということでもあります。家庭で「何に使っているの?」と聞いたときに、子どもが「べつに、勉強」としか答えないとしたら、そこには親から見えていない使い方が含まれている可能性があります。
ここまでの数字が示しているのは、学校の端末を「たまに持ち帰る学校の備品」として扱うのは、実態に合っていないということです。それは子どもにとって、スマートフォンと並ぶ日常的なネットの入口であり、家庭にある時間もそれなりに長い。だからこそ、家庭の側でも使い方を考えておく必要があります。同じ「持たせる前に決めておく」という考え方は、小学生のスマホルールは、禁止より「使う場面」を決めるでも扱っています。
文部科学省が示す、保護者と共有したい4つのポイント
では、家庭では具体的に何を確認しておけばいいのでしょうか。ここで手がかりになるのが、文部科学省が作成した「学校設置者・学校・保護者等との間で確認・共有しておくことが望ましい主なポイント」という資料です。これは令和3年3月の通知に別添として付けられ、その後、令和4年3月3日付の「GIGAスクール構想の下で整備された学校における1人1台端末等のICT環境の活用に関する方針について」でも改めて示されているもので、保護者説明会やお便りなどを通じて周知することが想定されています。学校からもらったプリントの内容が、この資料に沿っている家庭も多いはずです。
この資料の冒頭には、大事な前提が書かれています。児童生徒に使用ルールを指導するだけでなく、保護者や地域の方々など関係者にも理解と協力を得ながら、子どもが安心・安全に端末を利用できる環境を整えることが重要である、という一文です。さらに、保護者や児童生徒の意見・課題などを聞き取りながら対応を進めるとともに、より活用しやすくするよう見直し・工夫することが重要であるとも書かれています。つまり、ルールは配って終わりではなく、家庭からの疑問や困りごとを学校に伝えることまで含めて設計されている、ということです。「こういう使い方で困っています」と学校に相談することは、想定外の行動ではなく、むしろ期待されている行動だと読み取れます。
その4つの柱を、資料の項目に沿って見ていきます。①児童生徒が端末を安全・安心に活用するために気を付けること。ここには、使用時間を守ること、端末やアカウント(ID)・パスワードを適切に取り扱うこと(第三者に端末を貸さない、IDやパスワードを教えないなど)、アプリケーションの追加や削除・設定の変更は学校設置者や学校の指示に沿って行うこと、落としたりぬらしたりしないよう注意すること、学習に関係のない目的では使わないこと、充電は学校や学校設置者が定めたルール以外の方法では行わないこと、が挙げられています。家庭からすると細かく見えますが、いずれも「学校の備品を預かっている」という前提から出てくる、筋の通った内容です。
②端末・インターネットの特性と個人情報の扱い方。本人の許可を得ることなく写真を撮ったり録音・録画したりしないこと、自分や他人の個人情報(名前、住所、電話番号、メールアドレスなど)を誰もがアクセスできるインターネット上に不用意に書き込まないこと、他人を傷つけたり嫌な思いをさせることをネット上に書き込まないこと、不適切なサイトにアクセスしないこと、インターネット閲覧時に通知の許可を求められてもむやみに許可しないこと、危険なファイルもあるためむやみにダウンロードしないこと——が並びます。とくに最初の「許可なく撮らない・録音しない」は、カメラの付いた端末が全員の手元にある環境ならではの項目で、学校でも家庭でも起きうるトラブルの芽をつぶす内容です。
③健康面への配慮。ここは具体的な数字が出てくるので、次の節でくわしく扱います。④トラブルが起きた場合の連絡や問合せ方法等の情報共有の仕組み。端末の利用に関する問合せ先や、故障・破損・紛失・盗難、ネット上のトラブル等が発生した場合の対応手順や連絡先を、家庭・保護者と学校・学校設置者の間で共有しておくことが重要だとされています。これは、事故が起きてから慌てて調べるのではなく、平常時に確認しておくべき項目です。子どもが端末を落として画面を割ってしまった週末、どこに連絡すればいいのかがわからない——という事態は、事前に一枚のメモを用意しておくだけで避けられます。
この4つを眺めてわかるのは、家庭に求められていることが、決して難しいものではないという点です。監視ソフトを入れることでも、使用を厳しく制限することでもありません。約束の意味を子どもと共有し、体への負担を減らし、困ったときの連絡先を知っておく——それだけです。
目・姿勢・睡眠 ― 数字で示されている健康の目安
4つのポイントの中で、家庭がいちばん具体的に関われるのが健康面です。文部科学省は「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック(令和4年3月改訂版)」を公開しており、そこには学校向けだけでなく、家庭での使い方に関する記述もはっきりと書かれています。
最もよく引用される目安が二つあります。ひとつは、目と端末の画面との距離を30cm以上離すこと。もうひとつは、長時間にわたって継続して画面を見ないよう、30分に1回は20秒以上、画面から目を離して、できるだけ遠くを見て目を休めることです。保護者と共有したいポイントの資料でも、この二つは項目として明記されており、「目と画面の距離は長ければ長い方が良い」という補足も添えられています。この数字が示されている背景として、ガイドブックは近視の問題に触れています。日本の近視人口は8割から9割にのぼるとされ、学校の裸眼視力検査で0.3未満の子供が、昭和54年と平成27年の36年間に小学校で3.1倍に増加したことが紹介されています。近視の原因は遺伝と合わせて生活習慣が有力とされ、デジタル端末を長時間、近い距離で見続けることが誰にとってもリスクになりうる、という考え方です。
連続して使う時間についても目安があります。ガイドブックのQ&Aでは、厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」で、集中的な作業については連続作業時間が1時間を超えないようにするとされていることを紹介したうえで、児童生徒については端末を見続ける時間が一度に長くならないよう配慮するとしています。姿勢については、興味深い書き方がされています。「一つの正しい姿勢」というものはなく、無理な姿勢のままで長時間作業をし続けないことが疲労を軽減する上で重要だ、というのです。背筋を伸ばして固まっていることが正解なのではなく、こまめに動くほうが理にかなっている、ということになります。そのうえでガイドブックは、家庭でも悪い姿勢で長時間ICT機器を利用することが考えられるため、習慣化を防ぐ意味で姿勢の指導は大切だと述べています。ソファに寝転んでタブレットを見ている姿が気になるのは、親の過剰な心配ではなく、公的資料も同じ点に注意を促しているということです。
睡眠については、さらに踏み込んだ記述があります。就寝前に強い光を浴びると、入眠作用があるホルモン「メラトニン」の分泌が阻害され、寝つきが悪くなる。したがって就寝1時間前からはICT機器の利用を控えることがすすめられる、というものです。あわせて、家庭学習についても「睡眠直前には実施しない、長時間連続して実施しないなどの学習計画の立て方を指導する」ことが例として挙げられています。宿題が端末で出される時代に、「夜遅くまで頑張らせる」のが必ずしも良いこととは限らない、という視点は、家庭にとって心強い後ろ盾になります。
誤解が広がりやすい点にも、ガイドブックははっきり答えています。ブルーライトカット眼鏡についてです。ICT教育が広がるなかで子どもへの使用をすすめる動きが出てきましたが、令和3年に日本眼科学会・日本眼科医会・日本近視学会・日本弱視斜視学会・日本小児眼科学会・日本視能訓練士協会の6団体が共同で「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」を提言しています。ガイドブックはその趣旨として、エビデンスに乏しく成長期の子どもに対する影響も否定できないこと、デジタル端末からのブルーライトは自然光より少なく網膜に障害を生じることはないレベルとされていること、そして眼鏡を買うよりも、就寝1時間前から液晶画面を見ることを控えるほうが推奨されることを紹介しています。何かを買い足す前に、使う時間帯を見直すほうが先だ、という順番です。
そのほか、家庭で見落とされがちな点も挙げられています。画面の明るさは部屋の明るさに合わせて調整すること——一般に、夜に自宅で使用する際には、昼間に学校の教室で使用する際よりも明るさ(輝度)を下げることが推奨されます。集中して画面を見続けるとまばたきの回数が減り、涙が目の表面を十分に覆えなくなってドライアイになりやすいため、意識的にまばたきをすること。ヘッドフォンを使うときは音量を上げすぎないこと——家庭での長時間かつ大音量(概ね85デシベル以上、鉄道のガード下程度)の使用によっては騒音性難聴を発病する可能性があり、いったん発病すると聴力は回復しないと明記されています。屋外で過ごす時間についても、1日2時間・週14時間屋外で遊んでいる子供は、両親が近視であっても近視になる確率が大幅に減るという研究が紹介されています。画面から離れて外で遊ぶ時間そのものが、目の健康にとって意味を持つ、という話です。
これらはどれも、学校では管理しきれず、家庭でこそ実行できる内容です。逆に言えば、健康面は家庭が担当する部分が大きい、と考えておくとよさそうです。
持ち帰りが始まったら、家庭で決める4つのこと
ここまでの内容を、家庭でそのまま使える形に落とし込みます。文部科学省の4つのポイントに対応させながら、持ち帰りが始まった最初の週末にでも決めておきたいことを、4つにまとめました。難しい準備は要りません。子どもと一緒に、10分ほど話す時間があれば足ります。
①使う時間と置き場所を決める。宿題や学習に使う時間帯をだいたい決めておき、就寝1時間前からは使わないことを共有します。そのうえで、夜の充電場所を寝室ではなくリビングなど家族の目の届く場所にしておくと、「布団の中でこっそり」を仕組みで防げます。ここで大事なのは、時間を親が一方的に割り当てるのではなく、子ども自身に決めてもらう部分を残すことです。文部科学省の資料も、家庭においても子供と話し合い、子供が自らの問題として捉えられるよう、利用時間等を設定することが重要だとしています。押しつけられた時間は破られますが、自分で決めた時間は守る動機が生まれます。
②アカウントとパスワードは自分だけのもの、と確認する。端末を人に貸さないこと、IDやパスワードを誰にも教えないことを、理由とセットで伝えます。「あなたのアカウントで誰かが何かを書き込んだら、あなたが書いたことになってしまうから」と説明すると、小学生でも納得しやすい話です。あわせて、アプリの追加や削除、設定の変更は学校の指示に沿って行うことも確認します。家のスマートフォンと同じ感覚で勝手にアプリを入れてしまうと、学校の管理と食い違ってトラブルのもとになります。
③撮る前・書き込む前に、一呼吸おく約束をする。人を撮るときは必ず許可をとること、名前や住所などの個人情報は書き込まないこと、人が嫌な思いをすることは書かないこと。この3つを、短い言葉で共有します。学校の端末はカメラも文字入力もできますから、悪意がなくても「面白いと思って撮った写真」が誰かを傷つけることは起こりえます。撮影や書き込みの前にワンテンポおく習慣は、家庭でしか身につきません。ネット上での写真や個人情報の扱いは、写真や個人情報をネットに上げる前に、親子で決めることでさらに詳しく整理しています。
④困ったときの連絡先を、家の見える場所に置いておく。学校からもらった案内やお便りから、端末の問合せ先、故障・破損・紛失・盗難のときの連絡先と手順、ネット上のトラブルが起きたときの相談先を書き写して、冷蔵庫の横などに貼っておきます。これは文部科学省の資料が4つ目の柱として挙げている項目そのものですが、実際に用意している家庭は多くないはずです。もし学校から明確な案内がない場合は、担任や学校に「端末が壊れたときはどこに連絡すればいいですか」と聞いておくだけでも十分です。前述のとおり、保護者からの質問や意見を聞き取りながら進めることは、国の資料でも重要だとされています。遠慮する必要はありません。
この4つは、一度決めたら固定するものではありません。学年が上がって使い方が変わったり、新しいアプリが導入されたりしたときには、短く見直します。「まだあの約束で大丈夫?」と聞くだけで、たいてい足ります。
家庭で試す3つの工夫
家庭で試す3つの工夫
- ① 「遠くを見る目標物」を家の中で決めておく:30分に1回・20秒以上遠くを見る、と言われても、子どもには何を見ればいいのかわかりません。窓の外の電柱、向かいの家の屋根、廊下の突き当たりの絵など、家の中から見える「目を休める場所」を子どもと一緒に決めておきます。文部科学省の資料も、遠くを見る際の目標物を子ども自身が考え、話し合う機会を持つことを例として挙げています。決めておくと、声かけが「休憩しなさい」ではなく「あの電柱、見てきた?」に変わります。
- ② 端末を開く場所を1〜2か所に固定する:リビングのテーブルと学習机、というように、学校の端末を使う場所をあらかじめ決めておきます。姿勢の面では、机と椅子の高さが合っている場所で使うほうが体への負担が少なく、ソファや布団の上での長時間利用を減らせます。見張るためではなく、体に無理のない場所を用意するという発想で決めると、子どもも受け入れやすくなります。
- ③ 週に一度、「何に使った?」を短く聞く:問い詰めるのではなく、「今週はどのアプリをいちばん使った?」「面白かった機能ある?」と、興味を持って聞く時間を作ります。学習以外の使い方があっても、まずは聞くこと自体を続けるほうが大切です。ふだんから話題にできていれば、困ったことが起きたときにも打ち明けてもらいやすくなります。
声かけの言い換え
声かけの言い換え例
「学校のものなんだから、勝手にいじらないで」→ 触れさせないだけでは、家での使い方は誰も見ないままになる。
「学校のものを預かっているから、一緒に使い方を決めよう」→ 家庭と学校で共通理解をつくる、という国の考え方に沿った入り方。
「そんなに近づけて見ないの! 目が悪くなるよ」→ 叱るだけでは理由が伝わらず、その場しのぎで終わりやすい。
「画面と目を30cm離すのが目安だって。腕くらいの長さかな」→ 数字と体感を結びつけると、子どもが自分で調整できる。
家庭で確認するチェックリスト
持ち帰り端末のチェックリスト
- 学校からの案内を読み、家庭での使い方について決まっていることを把握している。
- 使う時間帯と夜の充電場所を決め、就寝1時間前からは使わないと共有している。
- IDやパスワードを人に教えない、端末を貸さないことを理由とセットで伝えている。
- 人を撮るときは許可をとる、個人情報や人を傷つけることは書かないと約束している。
- 故障・紛失・ネットのトラブルが起きたときの連絡先を、家の見える場所に置いている。
気をつけたいこと・相談先
ルールは学校ごとに違う ― 最終的な基準は学校の案内
この記事で紹介したのは、文部科学省が全国共通の考え方として示している内容です。実際の端末の設定、持ち帰りの可否や頻度、家庭での使い方の細かなルールは、学校や教育委員会によって異なります。フィルタリングの強さ、使えるアプリ、写真や動画の撮影の可否、家庭のWi-Fiにつないでよいかどうかも、自治体ごとに方針が違います。学校から配られた案内やお便りが、そのご家庭にとっての最終的な基準です。この記事の内容と学校の指示が食い違う場合は、学校の指示に従ってください。また、端末の設定を保護者が独自に変更することは、学校の管理と衝突する可能性があるため、必ず学校や教育委員会に確認してから行ってください。
健康面についても同じです。目や姿勢、睡眠に関する目安は、あくまで一般的な配慮事項であり、個々の子どもの状態を診断・評価するものではありません。目の疲れや頭痛、視力の低下、睡眠の乱れなどが続く場合は、自己判断で対処せず、眼科などの医療機関を受診してください。すでに眼鏡やコンタクトレンズを使っている場合や、視覚に関する配慮が必要な場合は、かかりつけの専門家に相談したうえで、学校とも共有しておくと安心です。
もうひとつ、家庭だけで抱えないでほしいのが、端末をめぐる子ども同士のトラブルです。文部科学省の「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によれば、いじめの態様のうち「パソコンや携帯電話等を使ったいじめ」は27,365件で、前年度の24,678件から増えており、総認知件数に占める割合は3.6%(前年度3.4%)となっています。学校の端末に限った数字ではありませんが、機器を通じたトラブルが一定数起きていることは確かです。同じ調査では、いじめの発見のきっかけのうち「当該児童生徒(本人)の保護者からの訴え」が13.9%を占めており、家庭からの一報が発見につながっている実態も示されています。「これは言うほどのことだろうか」と迷う段階でも、学校に伝えてかまいません。困りごとの内容によっては、学校のほか、消費者ホットライン「188」、警察相談専用電話「#9110」、24時間子供SOSダイヤルなどの公的な窓口も利用できます。
出典・参考
- 文部科学省「GIGAスクール構想の下で整備された1人1台端末の積極的な利活用等について(通知)」(2文科初第1962号・令和3年3月12日)
- 文部科学省「学校設置者・学校・保護者等との間で確認・共有しておくことが望ましい主なポイント」(「1人1台端末等のICT環境の活用に関する方針・チェックリストについて」令和4年3月3日 別添3)
- 文部科学省「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック(令和4年3月改訂版)」
- こども家庭庁「令和6年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」(調査結果の概要・令和7年3月)
- 文部科学省「令和6年度 学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)【確定値】」(調査基準日 令和7年3月1日)
- 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」
この記事について
本記事は、学校から配布された1人1台端末を家庭で使う場面について、公的機関が公表している一般的な情報を整理したものであり、特定の端末・サービス・アプリの利用を推奨・否定するものではありません。端末の設定、持ち帰りの可否や頻度、家庭での使い方のルールは学校や教育委員会によって異なるため、実際の運用は学校からの案内に従ってください。統計の数値や通知・ガイドラインの内容は年度によって変わることがありますので、最新の情報は各公式サイトでご確認ください。また、本記事は医学的な診断や治療に関する助言を行うものではありません。目の疲れや視力の低下、睡眠の乱れなど気になる症状が続く場合は、医療機関にご相談ください。端末をめぐる子ども同士のトラブルや困りごとは、まず学校へご相談いただくほか、消費者ホットライン「188」、警察相談専用電話「#9110」、24時間子供SOSダイヤルなどの公的な窓口もご利用いただけます。