3行まとめ
- 月の観察は小学4年の理科「月と星」で、形が日によって変わり、1日のうちでも時刻で位置が変わることを学ぶ。6年では月と太陽の位置関係を学ぶ。
- 学校では、木や建物など地上の物を目印にし、決めた場所から時間の間隔をそろえて観察する方法を身に付けるとされる。
- 家庭では、立つ場所と目印を先に決め、満ち欠けの日付を確かめてから、大人と一緒に安全な場所で見る。
この記事でわかること
- 月の観察を何年生で、何のために学ぶか
- 月の形と、見えやすい時間帯の関係
- 観察カードに何を書けばよいか
- 2026年秋の満月・半月の日付の調べ方
- 夜の観察と昼の月の観察で気をつけること
「月が見つからない」と戻ってきた夜
4年生の理科で「月の観察カード」が配られました。午後7時と8時に月を見て、形と位置をかくように書いてあります。子どもはベランダに出て、すぐに戻ってきました。「月、ないよ」。翌日の夕方に外へ出ると、今度は空の低いところに大きな月が出ていて、1時間後に見たときは「さっきと同じ所にある」と言います。
月が見つからない日があること。見つかっても、どこにあったかを比べる手がかりがないこと。どちらも、月の動き方を知らないまま空を見上げると起こりやすいつまずきです。観察の前に少しだけ準備をしておくと、カードに書けることがぐっと増えます。
月の観察は何年生で、何を学ぶのですか
結論から言うと、小学4年の理科「月と星」です。小学校学習指導要領解説 理科編は、月は日によって形が変わって見え、1日のうちでも時刻によって位置が変わることを、この学年でとらえるようにするとしています。3年で学んだ太陽の動きを踏まえ、6年の「月と太陽」につながる内容です。
解説は観察のしかたにも触れています。木や建物など地上の物を目印にして月の位置を調べたり、方位で表したりすること、方位磁針で方位を確かめ、観察の時間の間隔を一定にして、決めた場所から観察する方法を身に付けることです。カードに「何時に」「どこから」と書く欄があるのは、このためだと考えられます。月がどう動くかを先に予想し、その予想を確かめる学び方も、この単元のねらいに含まれています。
6年では、月の輝いている側に太陽があること、月の形の見え方は太陽と月との位置関係によって変わることを学びます。対象には夜の月だけでなく昼間に見える月も含まれ、数日後の月の見え方を予測する活動も挙げられています。4年で「形と位置が変わる」ことを自分の目で確かめておくと、6年の学習の土台になります。
形によって、見える時間も方角も違う
国立天文台によると、月は平均約29.5日で「新月→上弦→満月→下弦→新月」という満ち欠けを繰り返します。満ち欠けは、月と太陽の位置関係が変わり、太陽に照らされて光って見える部分が変わることで起こります。新月のころは月が太陽とほとんど同じ方向にあるため、前後1日ぐらいは見えません。そこから月は1日に約12度ずつ東へ太陽から離れていき、新月から満月までは月の西側が、満月から新月までは東側が光ります。
見える時間帯も形によって違います。三日月は日の入り後の西の空、上弦の月は日の入りのころ南の空、満月は日の入りのころ東から上って真夜中に南の空、下弦の月は真夜中ごろ東から上って日の出のころ南の空で見られます。下弦の月は、正午ごろに西へ沈みます。夜8時に下弦のころの月を探しても見つからないのは、まだ上っていないからです。
もう一つ知っておきたいのが、月の出の時刻です。国立天文台の暦計算室は、月の出は毎日平均約50分ずつ遅くなると説明しています。きのう見えた時刻に同じ場所を見ても、月は同じ所にはいません。遅れ方は季節によって変わり、中秋の名月のころは間隔が短くなることも紹介されています。
観察する日は暦で決める
観察の日付は、国立天文台が公表している暦で確かめられます。2026年は、10月26日が満月(望)、11月2日が下弦、11月9日が新月(朔)、11月17日が上弦、11月24日が満月です。12月は1日が下弦、9日が新月、17日が上弦、24日が満月と続きます。
夕方から夜の早い時間に見やすいのは、上弦から満月にかけての月です。たとえば11月17日の上弦のころなら、日の入りのころ南の空に半月が見え、その夜のうちに西へ動いていきます。満月の日は、日の入りのころ東の低い空に上ってきます。宿題の期限と照らし合わせて、見やすい日を親子で選んでおくと、「出ていない」と戻ってくる夜を減らせます。
観察カードには何を書けばいいですか
書くのは、月の形・位置・見た時刻の3つです。位置は「空のどこか」ではなく、目印からどちらの方向にあるかで描きます。
形は、光っている側がどちらかまで見て描きます。国立天文台の説明では、新月から満月までは月の西側が光ります。南を向いて立つと西は右手側なので、満ちていく月は右側が光って見えることになります。半月を描くときに左右を取り違えやすいので、描く前に「どっち側が明るい?」と確かめるだけでも記録の正確さが変わります。
解説が「決めた場所で」「時間の間隔を一定に」観察するとしているのは、比べる条件をそろえるためだと読めます。1回目と2回目で立つ場所や目印が違うと、月が動いたのか、見る位置が変わったのかを区別できません。2回目はカードの1回目の絵に重ねて描き、矢印で動いた向きを書き入れると、時刻によって位置が変わることが一目でわかります。
観察そのものは子どもに任せ、親は場所と時刻の準備を手伝います。
家庭で試す3つの工夫
- 明るいうちに立つ場所と目印を決める:家の前やベランダで、毎回立つ位置に印を付けます。電柱や屋根、木など動かない物をカードに先に描き、方位磁針で南を確かめておくと、夜は月をかき足すだけで済みます。
- 見る前に「どこに出そう?」と予想する:暦で月の形を確かめ、図1を見ながら東・南・西のどこに出そうかを話します。予想と違ったときも、その違いがカードに書ける発見になります。
- 五円玉で月の大きさを比べる:腕をいっぱいに伸ばして五円玉の穴から月をのぞくと、低い月も高い月もほぼ同じ大きさに見えると国立天文台は紹介しています。太陽ではしません。
声かけの言い換え例
- 「早く見つけて書いちゃいなさい」→「どの電柱の近くに見える?」。目印との位置で記録できる。
- 「さっきと同じ所でしょ」→「さっきの立ち位置に戻ってみよう」。同じ場所から比べられる。
- 「今日は月が出てないね」→「暦で今日の月の形を見てみようか」。見えない理由を調べられる。
- 「形が違うよ」→「光っているのは右側?左側?」。自分の目で形を確かめ直せる。
家庭で確認するチェックリスト
- 観察する日の月の形と、見えやすい時間帯を暦で確かめた。
- 毎回立つ場所を決め、方位磁針で方位を確かめた。
- カードに、動かない目印(木・建物・電柱など)を描いた。
- 形・位置・時刻の3つを、毎回書き込んでいる。
- 夜は大人と一緒に、車の通らない安全な場所から見ている。
家庭の工夫だけで抱え込まないために
学習指導要領解説は、夜間の観察では安全を第一に考え、事故防止に配慮するとしています。暗い時間は大人が付き添い、家の前やベランダなど足元が安全な場所を選びます。空を見上げながら道路を歩いたり、ベランダの手すりに身を乗り出したりしないよう、先に約束しておきます。夕方に外へ出るときの見えやすい服装は、日が短くなる季節の子どもの帰り道で整理しています。
昼間の月を観察するときは、太陽を直接見ないようにします。解説も国立天文台も、この点に注意を促しています。双眼鏡などで太陽の方を向かないことも、あわせて伝えてください。
曇りや雨が続いて期限までに観察できないこともあります。解説は、学校で観察できない時間帯の月については、映像や模型、プラネタリウムなどを活用することも挙げています。宿題の扱いに迷ったら、連絡帳などで担任の先生に相談する方法があります。
よくある質問
- 月の観察は何年生で習いますか。
- 小学4年の理科「月と星」で、月は日によって形が変わって見え、1日のうちでも時刻によって位置が変わることを学びます。6年の「月と太陽」では、月の輝いている側に太陽があることや、形の見え方が太陽と月の位置関係で変わることを学びます。
- 月が見つからないのはなぜですか。
- 月の形によって、見える時間帯が違うためかもしれません。国立天文台によると、新月の前後1日ぐらいは見えず、下弦の月は真夜中ごろに東から上ります。月の出は毎日平均約50分ずつ遅くなるので、暦で観察する日の月の形を確かめてから探すと見つけやすくなります。
- 昼間に月を観察してもいいですか。
- 昼間に見える月も観察の対象になります。国立天文台によると、半月より大きな月は青空の中でも見つけやすいとされています。ただし、太陽を直接見ないように気をつけてください。
出典・参考
- 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編」(平成29年7月)
この出典で確認した記述
第4学年 B(5) 月と星(本文59〜60ページ、PDF 63〜64ページ目)「(ア) 月は日によって形が変わって見え,1日のうちでも時刻によって位置が変わること。」「イ 月や星の特徴について追究する中で,既習の内容や生活経験を基に,月や星の位置の変化と時間の経過との関係について,根拠のある予想や仮説を発想し,表現すること。」「本内容は,第3学年「B(2) 太陽と地面の様子」の学習を踏まえて…第6学年「B(5) 月と太陽」の学習につながるものである。」「その際,任意の時刻における月の位置を,木や建物など地上の物を目印にして調べたり,方位で表したりする活動を行い,月の見え方について調べることが考えられる。」「その際,方位磁針を用いて方位の確認をしたり,観察の時間間隔を一定にしたりして,決めた場所で月や星の位置の変化を観察する方法が身に付くようにする。また,学校では観察ができない時間帯の月や星の位置の変化については,映像や模型,プラネタリウムなどを活用することが考えられる。」「なお,夜間の観察の際には,安全を第一に考え,事故防止に配慮するように指導する。」第6学年 B(5) 月と太陽(本文92〜93ページ、PDF 96〜97ページ目)「(ア) 月の輝いている側に太陽があること。また,月の形の見え方は,太陽と月との位置関係によって変わること。」「ここで扱う対象としては,太陽が沈んでから見える月の他に,昼間に観察できる月も考えられる。」「数日後の月の見え方を予測する活動が考えられる。」「また,昼間の月を観察し,太陽の位置を確認する際には,太陽を直接見ないようにするなど,安全に配慮するように指導する。」本文「3行まとめ」1・2項目、「月の観察は何年生で、何を学ぶのですか」の節、「観察カードには何を書けばいいですか」第3段落、図2、工夫1、「気をつけたいこと」第1〜3段落、FAQ1・3の根拠。 - 国立天文台「質問2-1 月はいつどんなふうに見える?昼間も見えるの?」
この出典で確認した記述
「月は、平均約29.5日で、「新月→上弦→満月→下弦→新月」という満ち欠けを繰り返しています。満ち欠けは、月と太陽との位置関係が変わることによって、私たちが見ている面のうちどの部分が太陽に照らされて輝いているかが変わるために起こります。」「新月のときには、月は太陽とほとんど同じ方向にあり、太陽の光が当たっている側は地球から見えません。それから、1日に約12度ずつ、月は東に向かって太陽から離れていきます。新月から満月までは、月の西側が太陽に照らされて光っています。」「満月から新月までは、月の東側が光っています。」表1 月の形と見え方「新月(朔)0 … 新月の前後1日ぐらいは見えない。」「三日月 2前後 西側が細く光っている 日の入り後の西の空で見やすくなる。」「上弦 7前後 西側半分が光っている 昼ごろ東から上り、日の入りのころ南の空に見える。真夜中ごろ西に沈む。」「満月(望)15前後 ほぼ全面が光っている 日の入りのころ東から上り、真夜中に南の空に見える。日の出のころ西に沈む。」「下弦 22前後 東側半分が光っている 真夜中ごろ東から上り、日の出のころ南の空に見える。正午ごろ西に沈む。」「半月より大きな月は、青空の中でも簡単に見つけることができます。」本文「形によって、見える時間も方角も違う」第1・2段落、図1、「観察カードには何を書けばいいですか」第2段落(新月から満月までは西側が光る)、「観察する日は暦で決める」第2段落、FAQ2・3の根拠。 - 国立天文台 暦計算室「令和8年(2026)暦要項 朔弦望」(令和7年2月3日発表)
この出典で確認した記述
朔弦望(2)(中央標準時)「望 10月26日 13時12分」「下弦 11月02日 5時28分」「朔 11月09日 16時02分」「上弦 11月17日 20時48分」「望 11月24日 23時54分」「下弦 12月01日 15時09分」「朔 12月09日 9時52分」「上弦 12月17日 14時43分」「望 12月24日 10時28分」。本文「観察する日は暦で決める」第1段落の日付の根拠。 - 国立天文台 暦計算室「暦Wiki 中秋の名月とは/月待ちは秋に限る」
この出典で確認した記述
「月の出は毎日 平均約50分ずつ 遅くなっていきますが、中秋の名月のころはこの間隔がぐっと短くなります。」「季節による 月の出の時刻 の違い」の表(2013年・北緯35度、東経135度の計算例)。本文「形によって、見える時間も方角も違う」第3段落とFAQ2の「月の出は毎日平均約50分ずつ遅くなる」の根拠。 - 国立天文台「質問2-2 月や太陽が大きく見えるのはなぜ?」
この出典で確認した記述
「月や太陽は、空のどこにあっても、いつもほぼ同じ大きさです。」「試しに五円玉の穴を使って、大きさ比べをしてみてください。五円玉を手にもって腕をいっぱいに伸ばし、穴から月を覗くようにして見ると、月がどの高さにある時でも、ちょうど穴の大きさにすっぽりおさまるぐらいに見えると思います。」「※太陽の場合も空のどこにあっても大きさは変わりませんが、太陽を直接見るのは危険ですから実験はしないでください。」本文の工夫3と「気をつけたいこと」第2段落の根拠。
この記事について
本記事は家庭での工夫を整理した一般的な情報であり、医療・発達・心理の診断や治療の判断に代わるものではありません。研究知見や公的資料は「一つの考え方」として紹介しており、家庭ごとに合う・合わないがあります。お子さんの状態が気になる場合は、専門機関や学校にご相談ください。制度・統計の内容は各資料の公表時点のものであり、更新されることがあります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。