3行まとめ
- 4月入所の申し込みは、他の月よりかなり早く締め切られることが多い。まず市区町村の案内で期限と書類を確かめる。
- 2026年4月の待機児童は全国で2,435人。ただし特定の園だけを希望して入れなかった人などは数に入らず、1・2歳児と都市部に集中している。
- 2025年4月から、保育園に入れず育休給付を延ばすには、早く職場に戻るための申し込みだとハローワークに認められる必要がある。申込書の写しを残しておく。
この記事でわかること
- 保育園に申し込むために必要な「保育の必要性」の認定
- こども家庭庁の最新の数字から見える、入りにくい年齢と地域
- 待機児童の数に入らない人がいる理由
- 育休給付を延ばすときに、申し込みで気をつけること
半年先の4月が、実は1か月後の締め切りだった
0歳の子を抱いて役所の窓口でもらった「入園のご案内」は、思っていたより厚い冊子でした。勤務先に書いてもらう書類があり、希望する園を何か所も書く欄があり、締め切りは来月。4月まで半年あると思っていたのに、実際に動ける時間は数週間しかありません。
どちらが会社に書類を頼むか、見学にいつ行くかを話すうちに、「入れなかったら育休を延ばせばいい」という話も出てきます。ところが、その延長の条件は2025年4月から変わっています。
保育園に入るには、何が必要ですか
市区町村から「保育の必要性」の認定を受け、利用を申し込むことが必要です。認定の基準も申し込みの期限も、住んでいる市区町村が決めます。
子ども・子育て支援法施行規則は、認定の事由として、保護者のいずれもが、就労、妊娠・出産、病気や障害、同居の親族の介護・看護、求職活動、就学などのどれかに当たることを挙げています。就労の場合は、1か月に48時間から64時間までの範囲で市町村が定める時間以上働くことが常態であること、とされています。両親それぞれに事由が要り、パートタイムでも基準の時間を満たせば対象になりえます。
認定を受けたうえで、どの園に入れるかは市区町村が利用調整で決めます。厚生労働省は、保育所の申し込みの受付期間は市区町村によってさまざまで、特に4月入所の受付期間は他の月よりかなり早い場合が多いと注意を促しています。秋に動き始めるなら、最初にするのは期限の確認です。
待機児童の数字の読み方
こども家庭庁の取りまとめによると、2026年4月1日時点の待機児童数は2,435人で、前年より181人増えました。ピークだった2017年の26,081人と比べると10分の1以下です。全国の市区町村の89.1%にあたる1,552自治体では、待機児童は0人でした。全国の定員に対する利用児童数の割合(定員充足率)も87.7%で、前年より0.7ポイント下がっています。
一方で、待機児童の75.5%は首都圏や近畿圏などの都市部に集まっています。年齢別では3歳未満が96.0%を占め、なかでも1・2歳児が86.9%(2,117人)です。申込者数は1・2歳児と3歳以上で減ったのに対し、0歳児では増えました。入りにくさは、全国の数字より、住んでいる地域と子どもの年齢で大きく変わります。
もう一つ知っておきたいのは、申し込んで入れなかった人の全員が待機児童に数えられるわけではないことです。特定の園だけを希望している人は37,672人、育児休業中で復職の意思が確認できない人などが14,664人いて、こうした「除外4類型」は合わせて61,448人でした。国の基準では、自宅から20〜30分未満で通えるなど「他に利用可能な保育所」があるのに特定の園だけを希望している場合が、ここに入ります。
育休を延ばすとき、申し込みで気をつけること
育児休業給付金は、保育所に入れず育休を延ばした場合、子が1歳6か月に達する日の前まで(再延長で2歳に達する日の前まで)受けられます。厚生労働省は2025年4月から、この延長の確認を見直しました。入所保留通知書に加えて、その申し込みが速やかな職場復帰のためのものだと、ハローワークに認められる必要があります。背景には、入所の意思がないのに給付延長のために申し込む人への対応に時間がかかるという、自治体からの声がありました。
条件の中心は日付と希望園です。子が1歳に達する日(1歳の誕生日の前日)までに申し込み、入所希望日を1歳の誕生日以前にすること。合理的な理由なく、自宅から片道30分以上かかる園だけを申し込んでいないこと。申込書で入所保留を希望する意思を示していないこと。やむを得ない理由のない内定辞退も、条件を満たしません。
延長のときは、申告書、市区町村に出した申込書の写し(全ページ)、入所保留通知書などの3点を出します。電子申請で申し込んだ場合は、申込内容か申込画面を印刷して残すよう求められています。期限に間に合わなかった場合や、問い合わせただけで申し込まなかった場合は、延長の対象になりません。
締め切りまでの数週間で、夫婦で分けて進められることがあります。
家庭で試す3つの工夫
- 期限から逆算した日を共有する:市区町村の案内で4月入所の受付期間と必要書類を確かめ、締め切りの2週間前を「書類がそろう日」として家族のカレンダーに入れます。勤務先に記入を頼む書類があれば、その日までに頼みます。
- 地図で通える範囲を描く:自宅と両親の通勤経路から、片道30分ほどで通える園を書き出します。開所時間が勤務時間に合うかも、見学の前に確かめます。
- 出す前に申込書を全ページ撮る:窓口でも電子申請でも、提出する内容を写真か印刷で残します。育休を延ばすときの手続きで使うことがあります。
話し合いでは、不安より次の一手を言葉にすると進みやすくなります。
声かけの言い換え例
- 「どこでもいいから入れれば」→希望が絞れない。「朝の送りに間に合う園を、地図で探そう」。
- 「落ちたら育休を延ばせばいいよ」→条件を知らないまま。「延ばすときの条件を、先に読んでおこう」。
- 「書類はあとでいいか」→期限を過ぎやすい。「会社に頼む書類、今週のうちに出そう」。
- 「入れなかったらどうしよう」→不安だけが残る。「入れなかったときの預け先も、一つ考えておこう」。
申し込みの前に確かめたいこと
- 住んでいる市区町村の、4月入所の受付期間と必要書類を確かめたか。
- 両親それぞれが、就労などの認定の事由に当たるか確かめたか。
- 勤務先に記入を頼む書類があれば、期限に間に合うよう依頼したか。
- 通える範囲の園と、開所時間が勤務に合うかを確かめたか。
- 提出する申込書の写しを、全ページ残す準備ができているか。
家庭の工夫だけで抱え込まないために
この記事は申し込みの準備を整理したもので、入園できるかどうかや、育休給付の延長が認められるかどうかを判断するものではありません。認定の就労時間、利用調整の基準、申し込みの期限は市区町村ごとに違います。わからないことは、住んでいる市区町村の保育の担当窓口に確かめてください。
育休給付の延長を認めるかどうかは、ハローワークが判断します。厚生労働省は、提出した申込書の写しが実際の申し込みと違えば不正受給にあたり、返還を命じられることがあるとしています。年に1回しか申し込みの機会がない場合や、子どもの病気や障害で申し込みを受け付けてもらえない場合には例外があるので、迷うときは申し込む前に管轄のハローワークに相談してください。
入れなかったときは、市区町村に他に利用できる園の情報を尋ねられます。地域の一時預かりなどは地域の預かり支援の記事で整理しています。
よくある質問
- 4月入園の申し込みは、いつまでですか。
- 市区町村ごとに違います。厚生労働省は、4月入所の受付期間は他の月よりかなり早い場合が多いとして、自治体の案内で受付のスケジュールを確かめるよう呼びかけています。期限に間に合わないと、育休給付の延長の対象にもなりません。
- パートタイムでも保育園に申し込めますか。
- 申し込める場合があります。子ども・子育て支援法施行規則では、就労による認定の基準は、1か月に48時間から64時間までの範囲で市町村が定める時間以上働くことが常態であることです。住んでいる市区町村の基準を確かめてください。
- 待機児童が0人の市なら、希望の園に入れますか。
- 入れるとは限りません。特定の園だけを希望して入れなかった人は待機児童に数えられず、2026年4月時点で全国に37,672人いました。希望の園に加えて、通える範囲のほかの園も検討しておくと安心です。
- 保育園に入れなければ、育休給付は自動で延びますか。
- 自動では延びません。2025年4月から、入所保留通知書に加えて申告書と申込書の写しを出し、速やかな職場復帰のための申し込みだとハローワークに認められる必要があります。
出典・参考
- こども家庭庁「保育所等関連状況取りまとめ(令和8年4月1日)」全体版
この出典で確認した記述
1ページ「待機児童数は2,435人で前年比181人の増加」「定員充足率は87.7%(前年比0.7%の減少)」。5ページ「約89.1%の市区町村(1,552自治体)で待機児童なし」。6ページ「令和8年4月1日時点の待機児童数は2,435人(対前年+181人)」「待機児童数がピークであった平成29年の10分の1以下となっている」、年次表に「2017(平成29)年 26,081人」。7ページ「年齢区分別待機児童数については、3歳未満児が全体の96.0%を占める。特に1・2歳児に多く、全体の86.9%」、表3に「うち1・2歳児 2,117人 (86.9%)」、「保育の申込者数については、令和7年4月から令和8年4月にかけて1・2歳児・3歳以上児において減少する一方で、0歳児においては増加している」。8ページ「待機児童は都市部(※)に多く見られる状況にあり、全体の75.5%(待機児童数1,838人)を占めている」(都市部=首都圏・近畿圏の7都府県とその他指定都市・中核市)。15ページの表で令和8年4月の申込者数2,729,681人、除外4類型のうち「育児休業中の者」14,664人、「特定の保育園等のみ希望している者」37,672人、小計61,448人(表は画像でも照合)。同ページ「他に利用可能な保育所等とは、「開所時間が保護者の需要に応えている」または「立地条件が登園するのに無理がない(例えば、通常の交通手段により、自宅から 20~30分未満で登園可能 等)」に該当するもの」、育児休業中の者は「復職に関する確認ができる場合には、待機児童数に含める。ただし、それが確認できない場合には、待機児童数に含めない」、情報提供の例として「入所保留通知発出に併せて他に利用可能な保育所等の情報を送付」との記載(3行まとめ・本文「待機児童の数字の読み方」・気をつけたいこと・FAQ第3問・筆者コメントの根拠)。なお7ページ本文の括弧内は「2,117人/2,337人」と表記されているが、2,337人は3歳未満児の合計で、86.9%は全体2,435人に対する割合。資料には熊本県内のデータが暫定値である旨の注記がある。 - 子ども・子育て支援法施行規則 第1条の5(e-Gov法令検索)
この出典で確認した記述
e-Gov法令API(law_data/426M60000002044)で現行の条文を取得して確認。第1条の5「法第十九条第二号の内閣府令で定める事由は、小学校就学前子どもの保護者のいずれもが次の各号のいずれかに該当することとする」、第1号「一月において、四十八時間から六十四時間までの範囲内で月を単位に市町村が定める時間以上労働することを常態とすること」、第2号「妊娠中であるか又は出産後間がないこと」、第3号 疾病・負傷・障害、第4号「同居の親族(長期間入院等をしている親族を含む。)を常時介護又は看護していること」、第5号 災害の復旧、第6号「求職活動(起業の準備を含む。)を継続的に行っていること」、第7号 就学・職業訓練、第8号 児童虐待・配偶者からの暴力、第9号 育児休業中の上の子の継続利用、第10号「前各号に類するものとして市町村が認める事由」(本文「保育園に入るには、何が必要ですか」・FAQ第2問の根拠)。 - 厚生労働省「育児休業給付金の支給対象期間延長手続き」
この出典で確認した記述
「令和7(2025)年4月より、これまでの確認に加え、保育所等の利用申し込みが、速やかな職場復帰のために行われたものであると認められることが必要になります」、添付書類として「育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書」「市区町村に保育所等の利用申し込みを行ったときの申込書の写し」「市区町村が発行する保育所等の利用ができない旨の通知(入所保留通知書、入所不承諾通知書など)」。見直しの背景・経緯として、自治体から「保育所等への入所意思がなく、給付延長のために申し込みを行う者への対応に時間が割かれる」「意に反して保育所等への入所が内定となった方の苦情対応に時間を要している」との要望があったとの記載。「保育所等の利用調整における市町村(特別区を含む。)の事務負担」との記載も確認(本文「保育園に入るには」「育休を延ばすとき」・FAQ第4問の根拠)。 - 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「2025年4月から保育所等に入れなかったことを理由とする育児休業給付金の支給対象期間延長手続きが変わります」(LL060701保01)
この出典で確認した記述
表面「育児休業給付金は、保育所等に入れなかったため育児休業を延長した場合に、1歳6か月に達する日前まで(再延長で2歳に達する日前まで)支給を受けることができますが、育児休業及び給付金の延長を目的として、保育所等の利用の意思がないにもかかわらず市区町村に入所を申し込むことは、制度趣旨に沿わない行為です」「申込書の写しは全てのページを提出してください」「提出された申込書の写しの内容が実際の申し込み内容と異なることが判明した場合は、不正受給に該当し、不正に受給した金額の返還と、悪質な場合はそれに加えて一定の金額の納付を命ぜられることがあります」「電子申請で申し込みを行った場合は、申込内容を印刷したもの、または、申し込みを行った画面を印刷したもの」を保管するよう求める記載。裏面の延長要件に「原則として子が1歳に達する日(*)の翌日以前の日を入所希望日として入所申し込みをしていること」「入所申込年月日が子が1歳に達する日(*)までの日付となっていることが必要です」「申し込んだ保育所等が、合理的な理由※なく自宅から通所に片道30分以上要する施設のみとなっていないこと」「入所保留となることを希望する旨の意思表示をしていないこと」「やむを得ない理由なく内定辞退を行っている場合はこの要件を満たしません」「単に申し込みを失念していた場合や、入所申し込みを行おうと市区町村に問い合わせたところ、「入所が困難」との返答があり、期限内に申し込みを行わなかった場合は、延長は認められません」。合理的な理由として、通勤経路の途中にある場合、30分未満で通える園がない・開所時間が勤務に合わない、子の疾病や障害、きょうだいと同じ園などが挙げられている。(注)「子が1歳に達する日」とは「子の1歳の誕生日の前日」(3行まとめ・本文「育休を延ばすとき」・図2・FAQ第4問の根拠)。 - 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「保育所等に入所できない場合の育児休業給付金の支給対象期間延長について ~2025年4月以後に延長の可能性がある方向けの留意点です~」(LL060701保02)
この出典で確認した記述
表面「保育所等の入所申し込みの受付期間(締め切り)は市区町村により様々です。お子さんが生まれたら市区町村のホームページやお知らせなどで、申し込み受け付けのスケジュールを必ずご確認ください。特に、4月入所の申し込み受付期間は他の月よりもかなり早い場合が多いので、ご注意ください」「市区町村の申込期限に間に合わなかったために、要件を満たす入所申し込みができなかった場合は、延長の対象とはなりません」「市区町村に入所可能か問い合わせただけでは支給対象期間の延長の対象とはなりません」。必要書類は「①育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書、②市区町村に保育所等の利用申し込みを行ったときの申込書の写し、③市区町村が発行する保育所等の利用ができない旨の通知(詳細は裏面)の3点」。例外①として子の病気や障害で申し込みを受け付けない場合(障害者手帳、医師の診断書等を添付)、例外②として1歳の誕生日を含む月の募集がない場合に2か月後までの日を入所希望日にできる場合(1歳6か月後の延長では不可)、「年に1回、一定の期間しか申し込みの機会がない場合など」はハローワークに相談するよう記載(本文「保育園に入るには」・図1・気をつけたいこと・FAQ第1問の根拠)。
この記事について
本記事は家庭での準備を整理した一般的な情報であり、医療・発達・心理の診断や、制度の可否を判断するものではありません。研究知見や公的資料は「一つの考え方」として紹介しており、家庭や地域ごとに合う・合わないがあります。気になる場合は、専門機関・学校・自治体にご相談ください。制度・統計の内容は各資料の公表時点のものであり、更新されることがあります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。