3行まとめ

  • フリマアプリでの売買は個人同士の取引。トラブルは原則として当事者間で解決することが求められ、運営事業者は原則として介入しないと規約で定めていることが多い。
  • 子どもの利用では、家の物を無断で売る、酒類など年齢確認が必要な物を買う、といった相談が寄せられている。
  • 始める前に、売る物・支払い方・評価のタイミング・困ったときの相談先を親子で決めておく。

この記事でわかること

  • フリマアプリで売り買いするときの取引の流れ
  • 子どもの利用で実際に寄せられている相談
  • 18歳未満の契約が取り消せる場合・取り消せない場合
  • 親子で決めておきたいルールと相談先

「お小遣いの足しにしたい」と言われて

中学生の子が、小さくなった服や読み終えたマンガを並べて「これ、フリマで売っていい?」と聞いてきます。家の不用品が片づき、本人はお小遣いが増える。悪い話ではなさそうです。一方で、知らない人と取引して大丈夫か、送り方はどうするのか、そのうち買う側にも回りたがるのではないか、と心配も浮かびます。

気づいたときにはもう使っていた、という家庭もあるでしょう。この記事では、禁止か許可かの二択ではなく、何が起こりやすいのかを知ったうえで、親子でルールを決める順番で考えます。

フリマは、誰と誰の取引ですか

フリマアプリでの売買は、出品した個人と買った個人のあいだの取引です。トラブルは原則として当事者どうしで解決することが求められています。

国民生活センターが2018年に出した注意喚起では、取引の流れを次のように説明しています。購入者が代金をいったん運営事業者に支払い、出品者が商品を送り、受け取った購入者が出品者を「評価」する。出品者が振込を申請すると、代金が出品者の口座に振り込まれる。代金を運営事業者が預かるので安心に見えますが、利用規約には「運営事業者は利用者間のトラブルに原則として介入しない」と定めている例が多いとしています。同じ資料では、全国の消費生活センター等に寄せられたフリマ関連の相談が、2017年度に3,330件と、2012年度の173件から20倍近くに増えていました。

この仕組みで大事なのが「評価」の位置です。評価は、届いた商品を自分の目で確かめてからする。2026年3月の国民生活センターの見守り情報では、届いたバッグを本物だと思ってすぐに受取評価をした後で偽物と分かり、出品者に返金を求めても返信がない事例が紹介されています。2018年の資料にも、受け取る前に評価するよう求められて応じたら、商品が届かなかった事例がありました。受け取り前の評価や、アプリの決済を通さない直接の振込は、多くのサービスで禁止行為とされています。

フリマアプリでの取引の流れの図。1は出品と購入。2は購入者が代金をアプリに支払い、運営事業者がいったん預かる。3は出品者が発送し、追跡できる方法で送る。4は購入者が受け取って中身を確かめてから評価する。5は代金が出品者に振り込まれる。
図1:国民生活センター報道発表資料(2018年2月22日)の「フリマサービス上の商品取引の主な流れ」と各アドバイスをもとに編集部が作成。

売る側にもトラブルはあります。2025年9月の注意喚起では、出品したブランドバッグを「偽物だ」と言われて返品を受けたところ、別のバッグにすり替えられて戻ってきた事例が紹介されています。国民生活センターは、購入者は疑問点を事前に出品者に質問して解消すること、出品者は追跡できる方法で発送することを勧めています。

子どもの利用で、実際に起きていること

2018年の資料には、未成年者の利用に関する相談も載っています。中学生が家の物を無断で売って得たポイントで別の商品を買い、フリマアプリで酒も買っていた。高校生がフリマアプリで加熱式たばこ機器を買って使っていた。どちらも、店舗なら年齢確認がある品物です。出品者は「相手の年齢を確認できないので、未成年者と思わなかった」と答えていました。

資料によると、運営事業者は規約で未成年者に親権者の同意を得るよう求めていますが、登録や購入の際に年齢確認が必ずされているわけではありません。国民生活センターは、子どもがフリマサービスを使う場合は、家族で利用方法を十分に話し合うよう呼びかけています。アプリの仕組みだけでは守りきれない部分を、家庭のルールで補うという考え方です。

子どもの契約は取り消せますか

18歳未満の子が親の同意なく結んだ契約は、取り消せる場合があります。ただし、お小遣いの範囲の買い物などは対象外です。

神奈川県消費生活課の解説では、未成年者の契約を取り消すと契約ははじめから無効になり、すでに支払った代金の返還を求められるとしています。受け取った物は、手元に残っている範囲で返せばよいとされています。一方で、次のような場合は取り消せません。

未成年者の契約を取り消せない主な場合(神奈川県の解説をもとに作成)
場合内容
お小遣いの範囲親から使ってよいと許されたお金の範囲内の契約
詐術大人だと偽る、親の同意があると偽るなど、相手をだました場合
追認18歳になってから代金を払うなど、契約を認める行為をした場合
時効18歳になってから5年、または契約から20年が過ぎた場合

フリマの取引では、相手も事情を知らない個人です。取り消しは最後の手段で、始める前にルールを決めておくほうが、親子ともに負担が少ないと考えておくとよさそうです。

始める前に親子で決める4つのことの図。売る物は、出品前に親と確かめる。支払いは、アプリの決済だけ。評価は、届いた物を確かめてから。困ったら、やりとりを親に見せて相談する。
図2:国民生活センターのアドバイスをもとに、家庭で決めておきたいことを編集部が整理したもの。

全部を一度に決めなくても大丈夫です。できるところから試してみてください。

家庭で試す3つの工夫

  1. 売る物は、出品前に一緒に確かめる:家族の物やもらった物を、本人の判断だけで出さないようにします。売ってよい物を一つずつ確認し、送り方も一緒に決めます。
  2. 支払いと評価のルールを書いておく:「アプリの決済以外では払わない」「届いて中身を確かめてから評価する」「直接の振込や先の評価を頼まれたら、取引を止めて親に見せる」の3つを紙に書き、見える場所に置きます。
  3. 最初の数回は、画面を一緒に見ながら取引する:出品文の書き方、質問への答え方、発送までを一緒にやってみます。慣れたら、取引が終わるたびに報告してもらう形に移します。

ルールを守れるかどうかは、困ったときに話せる関係かどうかにも左右されます。

声かけの言い換え例

  • 「勝手に売らないで!」→「売りたい物、出す前に一緒に見せてくれる?」
  • 「だからやめろって言ったのに」→「教えてくれてありがとう。やりとりの画面を一緒に見よう」
  • 「どうせ偽物でしょ」→「届いたら、評価する前に一緒に確かめよう」
  • 「お金のことは自分でやって」→「アプリの外で払ってと言われたら、そこで止めて相談してね」

家庭で確かめたいこと

  • 子どもが使っているフリマアプリと、登録に使った情報を親が知っているか。
  • 売ってよい物・いけない物を、親子で決めているか。
  • 支払いはアプリの決済だけにすると決めているか。
  • 評価は、届いた物を確かめてからにすると話しているか。
  • 困ったときに、誰に、どこへ相談するかを決めているか。

家庭の工夫だけで抱え込まないために

商品が届かない、偽物だと言われた、返品で別の物が戻ってきた。そんなときは、まず相手と十分に話し合い、それで解決しなければ運営事業者に事情を伝えて、鑑定サービスや補償制度の利用、調査の協力が得られないかを確かめます。それでも進まないときは、消費者ホットライン「188」に電話すると、住んでいる地域の消費生活センターを案内してもらえます。子どもが一人で相手とのやりとりを続けると、言い合いが強くなることもあります。早めに親が画面を見て、やりとりを残しておくと相談しやすくなります。

酒やたばこ関連の物を買っていた、家の物を無断で売っていた、と分かったときは、叱る前に、何をいつ買った・売ったのかを本人と一緒に確かめてください。未成年者の契約を取り消せるかどうかは個別の事情で変わるため、家庭だけで判断せず、消費生活センターに相談するのが確実です。

よくある質問

子どもがフリマアプリを使うのに、親の同意は必要ですか。
国民生活センターの資料によると、運営事業者は利用規約で、未成年者に親権者の同意を得るよう求めています。ただし、登録や購入の際に年齢確認が必ずされているわけではないとされています。使うかどうかと使い方のルールを、家族で十分に話し合っておくことが勧められています。
子どもがフリマで買った物は、あとから取り消せますか。
18歳未満の子が親の同意なく結んだ契約は、取り消せる場合があります。ただし、お小遣いの範囲の買い物や、大人だと偽って取引した場合などは取り消せません。取り消すと、支払った代金の返還を求められます。個別の判断は消費生活センターに相談してください。
届いた商品が偽物だったら、どうすればいいですか。
まず出品者と話し合い、進まなければ運営事業者に事情を伝えて、鑑定サービスや補償制度が使えないかを確かめます。それでも解決しないときは、消費者ホットライン188で消費生活センターに相談できます。受取評価は中身を確かめてからにすると、トラブルを防ぎやすくなります。

出典・参考

  • 独立行政法人国民生活センター 報道発表資料「相談急増!フリマサービスでのトラブルにご注意-個人同士の取引であることを十分理解しましょう-」(2018年2月22日)
    https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20180222_1.pdf(確認日 2026-10-14)。
    この出典で確認した記述
    PDF1ページ目に「2017年度の相談件数(3,330件)は既に2012年度(173件)の20倍近くに増えています」、注に「本資料は2018 年1月31 日までのPIO-NET 登録分。消費生活センター等からの経由相談は含まれていない」。PDF2ページ目に取引の流れとして「③購入者が商品代金をフリマサービス運営事業者に支払う(フリマサービス運営事業者がいったん商品代金を預かる)」「⑤出品者が商品を発送する」「⑥商品を受け取った購入者が取引の印象等を参考に出品者を『評価』する」「⑧出品者が振込申請すると、フリマサービス運営事業者から出品者の銀行口座等に商品代金が振り込まれる」、また「利用規約では『フリマサービス運営事業者はサービス利用者間のトラブルに原則として介入しない』と定められている他、禁止行為として・商品受取前に出品者の評価をさせる行為・フリマサービス運営事業者が用意する決済方法を使用せず、個別に直接商品代金を支払う行為…等が定められているケースがみられます」。PDF3ページ目の事例2に「出品者から『商品受取前に出品者の評価をするように』と求められた」「言われるままに評価をしてしまった。その後、商品が届かない」。PDF4ページ目の事例5に「中学生の息子がフリマアプリで酒を購入していた」「家の物を無断で売って得たポイントを別の商品購入に充てていた」「出品者に連絡したが『フリマアプリでは相手の年齢を確認できないので、未成年者と思わなかった』と言われた」、事例6に「高校生の息子がフリマアプリで加熱式たばこ機器を購入し使用していた」。PDF6ページ目に「フリマサービス運営事業者は利用規約等で利用者(未成年者)に親権者等法定代理人の包括的な同意を得るよう求めています。しかし、必ずしも利用者登録時に年齢確認のための措置がとられているわけではなく、また、購入時には具体的な年齢確認が実施されていないことがほとんど」。PDF7ページ目に「未成年者(子ども)がフリマサービスを利用する場合は、家族等で利用方法を十分に話し合いましょう」、禁止行為について「禁止行為等を持ちかけられても応じないようにしましょう」との記載(3行まとめ第1・第2項・「フリマは、誰と誰の取引ですか」節・「子どもの利用で…」節・図1・図2・FAQ第1問の根拠)。
  • 独立行政法人国民生活センター「購入・出品した商品が偽物?!フリマサービスのトラブルに注意!」(2025年9月2日公表)
    https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20250902_2.html(確認日 2026-10-14)。
    この出典で確認した記述
    出品トラブルの事例に「フリマアプリにブランドバッグを出品した。購入者から偽物だと苦情があったので返品を受けたが、バッグがすり替えられて戻ってきた」「サイト運営事業者に連絡したが、購入者に対し、話し合いに応じるよう連絡をすることしかできないと言われた」(2024年6月受付 20歳代 女性)。アドバイスに「多くのフリマサービスの利用規約では、トラブルが発生した場合、その解決は当事者間(個人間)で図ることが求められている点を理解しましょう」「購入者は『商品についての疑問点を事前に出品者に質問して解消する』、出品者は『商品を発送する際は追跡が可能な方法を採る』等、トラブルの未然防止を心がける」「話し合いで解決しない場合には、フリマサービス運営事業者に問合せをして事情を伝え、鑑定サービス・補償制度の利用や調査等の協力が得られないか確認してみましょう。それでも交渉が進まない場合は、問題点の整理等を行うために最寄りの消費生活センターに相談しましょう」「消費者ホットライン『188(いやや!)』番 お住まいの地域の消費生活センター等をご案内する全国共通の3桁の電話番号です」との記載(「フリマは、誰と誰の取引ですか」節の末尾・図1・「気をつけたいこと」節・FAQ第3問の根拠)。
  • 独立行政法人国民生活センター 見守り新鮮情報 第536号「フリマサービスのトラブルに注意!」(2026年3月5日公表)
    https://www.kokusen.go.jp/mimamori/mj_mailmag/mj-shinsen536.html(確認日 2026-10-14)。
    この出典で確認した記述
    事例に「翌日高級ブランドの箱に丁寧に入ったバッグが届き、本物だと思ったのですぐに受取評価をした」「質店に見せると『本物と評価出来ず、買い取れない』と言われ偽物だと分かった。出品者に返品・返金のメッセージを送ったが返信がない」(70歳代)。ひとこと助言に「利用規約等をよく読み、使い方を理解した上で利用しましょう」「フリマサービス運営事業者への問い合わせ方法についても事前によく確認しましょう」「まず当事者間で十分に話し合い、解決しない場合は、フリマサービス運営事業者に事情を伝え、鑑定サービス・補償制度の利用や調査等の協力が得られないか確認してみましょう」「お住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)」との記載(「フリマは、誰と誰の取引ですか」節の第3段落・「気をつけたいこと」節の根拠)。
  • 神奈川県 くらし安全防災局 消費生活課「未成年者契約の取消しについて」(2026年6月11日更新)
    https://www.pref.kanagawa.jp/docs/r7b/cnt/f370211/p4426890.html(確認日 2026-10-14)。
    この出典で確認した記述
    取消しの要件として、契約時に18歳未満であること、婚姻の経験がないこと、法定代理人(親権者または未成年後見人)の同意がないこと、法定代理人から処分を許された財産(小遣い)の範囲内の契約ではないこと、法定代理人から許された営業に関する取引ではないこと、未成年者が詐術を用いていないこと、契約を追認していないこと、取消権が時効にかかっていないことを挙げ、すべてに当てはまる場合に取り消せるとしている。詐術は成年だと偽る・同意を得ていると偽るなど相手をだます行為、追認は成年に達してから商品を受け取る・代金を支払うなど契約を認める行為、時効は成年になったときから5年間または契約から20年間と説明。取消しの効果として、契約時にさかのぼって最初から無効になること、未成年者本人と法定代理人のどちらからでも取り消せること、代金の支払義務がなくなり既に支払った代金の返還を請求できること、受け取った商品は現に利益を受けている範囲で返せばよいことを記載(「子どもの契約は取り消せますか」節・表・FAQ第2問の根拠。ページの記述を要約して確認した)。

この記事について

本記事は家庭での工夫を整理した一般的な情報であり、医療・発達・心理の診断や治療の判断に代わるものではありません。特定の機器・アプリ・設定・サービスを推奨するものでもありません。お子さんの状態が気になる場合は、専門機関や学校にご相談ください。制度・統計の内容は各資料の公表時点のものであり、更新されることがあります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

筆者コメント