3行まとめ

  • ものさしとかさ(mm・cm・m、mL・dL・L)は小学2年、はかりと重さ(g・kg)は小学3年の算数で学ぶ。
  • 令和7年度の全国調査(小6)では、一目盛り5gのはかりを読む問題の正答率が61.1%。一目盛りを1gや10gと取り違えた答えがそれぞれ約12%あった。
  • 家庭では、数える前に「大きな目盛りのあいだが何等分か」を確かめ、一目盛りの大きさを言葉にしてから読むとずれにくい。

この記事でわかること

  • 長さ・かさ・重さの単位を学ぶ学年と、教科書のねらい
  • 全国調査で見えた、はかりの読み間違いの形
  • 一目盛りの大きさを見つける手順
  • 台所や買い物で目盛りに触れる工夫
  • 学校に相談したほうがよい様子の目安

120gが「104g」になった計量

休みの日、ホットケーキを一緒に作ろうと、子どもに粉を量ってもらいました。針は100の目盛りを少し過ぎたところで止まっています。「何グラム?」と聞くと、「104」。100から小さい目盛りを四つ数えたそうです。ところが、そのはかりの小さい目盛りは一つが5gで、正しくは120gでした。

数え方は合っていて、一目盛りを1gだと思い込んでいたのです。ものさしの読み取りもふだんはできているので、親としては「なぜ」と戸惑います。けれども、ものさしは一目盛りが1mm、はかりは5gや10g、計量カップは製品によって違います。同じ「一目盛り」でも、道具ごとに表す大きさが違うことに気づけるかどうかが分かれ目です。

目盛りや単位は何年生で習うのですか

小学2年で長さの単位(mm・cm・m)とかさの単位(mL・dL・L)、小学3年で長さのkmと重さの単位(g・kg)を学びます。小学校学習指導要領解説 算数編は、2年でものさしを「計器として初めて用いるもの」と位置づけ、測定を通してものさしの目盛りの仕組みも理解できるようにするとしています。1mmは1cmを10等分した一つ分、1dLは1Lを10等分した一つ分であることを理解させ、「1リットルます」の目盛りの仕組みにも触れます。

3年では、重さも「単位となる重さの幾つ分か」で測定できることを理解し、およその見当を付けてはかりなどの計器を選ぶことを学びます。解説は、はかりにはどれだけの重さまで量れるか(秤量)と、どのくらいの細かさで量れるか(感量)があり、使うときに気をつけることも挙げています。容器に入れて量るときの「正味の重さ=全体の重さ−容器の重さ」も、この学年の内容です。さらに、1km=1000m、1kg=1000g、1L=1000mLのように、単位の関係を表にまとめて共通点を見つける活動も示されています。

全国調査で見えた、一目盛りの取り違え

令和7年4月に小学6年生を対象に行われた全国学力・学習状況調査では、ハンドソープの重さを考える大問の中で、はかりの目盛りを読む問題が出ました。針は100gから四つ目の小さな目盛りを指していて、一目盛りは5gです。報告書による答えの分かれ方は次のとおりです。

令和7年度 全国学力・学習状況調査 小学校算数4(3)の解答の分かれ方(報告書より)
答え割合報告書が考える理由
正答(120)61.1%―
10412.0%最小目盛りを1gと捉えた
14011.9%最小目盛りを10gと捉えた
1021.5%最小目盛りを0.5gなどと捉えた
その他・無解答13.6%―

104と140は、どちらも「100から四つ目」までは正しく数えています。違うのは一目盛りの大きさだけです。報告書は指導のポイントとして、0gから100gまでが何等分されているかに着目し、大きな目盛りや小さな目盛りの一目盛りが表す重さを捉えられるようにすることを挙げています。

同じ調査では、数直線の目盛りを読んで分数で表す問題(3(3))の正答が35.4%でした。報告書の集計では、はかりは読めたが数直線の分数は読めなかった子が32.6%います。報告書は、はかりの目盛りの仕組みを、ものさしや1リットルます、数直線の目盛りの仕組みと関連付けて考えられるようにすることも大切だとしています。目盛りは、学年を越えて何度も出てくる道具です。

一目盛り5gのはかりで針が100gから四つ目を指す問題の、3つの答え方を並べた図。正答は120で、一目盛り5gとして数えた答え(全国調査で61.1%)。104は一目盛りを1gと取り違えた答え(12.0%)。140は一目盛りを10gと取り違えた答え(11.9%)。
図1:数え方は同じでも、一目盛りの大きさを取り違えると答えが変わります。

数える前に「何等分か」を見る

報告書が示す読み方の順番は、まず大きな目盛りからおよその重さをつかみ、次に小さな目盛りと組み合わせて正確に読む、というものです。家庭で確かめるなら、数え始める前に「数字の書いてある目盛りと目盛りのあいだは、いくつに分かれている?」と聞くのが近道です。0から100までが20に分かれていれば、一目盛りは5g。ここを先に言葉にしておけば、「100から四つ目」は自然に120になります。

ものさしでも同じ考え方が使えます。1cmのあいだが10に分かれているから一目盛りは1mm、という確かめ方は、2年で学ぶ目盛りの仕組みそのものです。計量カップや体温計、温度計など、目盛りの細かさが道具ごとに違うものに触れるたび、同じ問いを繰り返すと、「一目盛りはいつも1とは限らない」ことが身につきます。

もう一つ、読む前におよその見当を付けることも、解説が大切にしている点です。「粉はだいたい100gより多い? 少ない?」と先に予想しておくと、読んだ数字が大きくずれたときに自分で気づけます。見当を付けてから測る経験が、適切な単位や計器を選ぶ力の土台になります。

家庭で目盛りを読む3つの手順を示した図。1つ目は数字の目盛りのあいだが何等分かを数えること。2つ目は一目盛りの大きさを言葉にすることで、100gを20に分けたら一目盛り5g。3つ目は大きな目盛りから読んで小さな目盛りを足すことで、100gから四つ目なら120g。
図2:数え始める前に、一目盛りの大きさを言葉にします。

練習は、家にある道具を一つ使って短く。正しく読めたかより、一目盛りの大きさを先に言えたかを見ます。

家庭で試す3つの工夫

  1. 道具ごとに「一目盛りはいくつ?」:はかり、ものさし、計量カップを並べ、それぞれの一目盛りが表す大きさを言ってもらいます。違いに気づくこと自体が目的です。
  2. 量る前に予想する:「100gより多いと思う?」と先に聞いてから量ります。読んだ値と予想を比べると、読み間違いに自分で気づきやすくなります。
  3. 容器の重さを引いてみる:ボウルだけを量り、材料を入れてもう一度量って差を出します。3年で学ぶ「正味の重さ」を台所で確かめられます。

声かけの言い換え例

  • 「ちゃんと数えて」→「数字と数字のあいだ、いくつに分かれてる?」。数える前の確認に戻れる。
  • 「104じゃないよ」→「この一目盛りは何グラムかな」。どこがずれたかが残る。
  • 「目盛りくらい読めるでしょ」→「ものさしと同じ? 違う?」。知っている道具とつなげられる。
  • 「早く量って」→「だいたい何グラムくらいだと思う?」。見当を付ける習慣になる。

家庭で確認するチェックリスト

  • ものさしの一目盛りが1mmで、10個で1cmになるとわかっている。
  • 数字の目盛りのあいだが何等分かを数えられる。
  • はかりの一目盛りが1gとは限らないと知っている。
  • 量る前に、およその重さや長さを予想できる。
  • 1kg=1000g、1L=1000mLの関係を言える。

家庭の工夫だけで抱え込まないために

家庭のはかりや計量カップは、製品によって目盛りの細かさが違い、デジタル表示のものもあります。教科書やテストで使うはかりと同じとは限らないので、家では「道具ごとに一目盛りが違う」ことに気づく材料として使い、読み方の説明は学校のノートや教科書の言い方に合わせてください。全国調査の数字は小学6年生全体の傾向で、一人ひとりの理解度を判断するものではありません。熱いものや刃物を使う調理の場面では、計量は安全な材料で、大人がそばにいるときに行ってください。

文部科学省は学習障害を、全般的な知的発達に遅れはないが、聞く・話す・読む・書く・計算する・推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す状態としています。目盛りに限らず、数の大きさや簡単な計算でも止まる様子が長く続くときは、担任の先生や学校に相談する選択肢があります。つまずいた場所の見つけ方は算数につまずいた時、家庭で「どこで止まったか」を見つける、支援の仕組みは勉強のつまずきを家庭だけで抱えないために ― 学校の相談窓口と支援の仕組みで整理しています。

よくある質問

はかりやものさしの目盛りは何年生で習いますか。
ものさしとかさ(mm・cm・m、mL・dL・L)は小学2年、重さとはかり(g・kg)は小学3年の算数です。2年ではものさしを初めての計器として使い、目盛りの仕組みを理解することがねらいの一つになっています。
はかりの目盛りを数えているのに、答えが合わないのはなぜですか。
一目盛りの大きさを取り違えている可能性があります。全国調査では、一目盛り5gのはかりで、1gと捉えて104と答えた子が12.0%、10gと捉えて140と答えた子が11.9%いました。数える前に、数字の目盛りのあいだが何等分かを確かめると読みやすくなります。
家でできる練習はありますか。
はかり・ものさし・計量カップなど家にある道具で、「一目盛りはいくつ?」を先に言ってから読む練習ができます。量る前におよその重さを予想したり、容器の重さを引いて正味の重さを出したりするのも、3年で学ぶ内容に沿った練習です。

出典・参考

  • 国立教育政策研究所「令和7年度全国学力・学習状況調査報告書【小学校/算数】」小学校算数
    https://www.nier.go.jp/25chousakekkahoukoku/report/data/25pmath_04.pdf(確認日 2026-10-16)。
    この出典で確認した記述
    大問4「日常の事象について伴って変わる二つの数量の関係に着目して考察すること(ハンドソープ)」(本文85ページ、PDF 64ページ目)出題の趣旨に「・はかりの目盛りを読むこと。」。設問(3)(本文92〜93ページ、PDF 71〜72ページ目)趣旨「はかりの目盛りを読むことができるかどうかをみる。」学習指導要領の領域・内容は〔第3学年〕C測定(1)ア「(イ) 長さや重さについて、適切な単位で表したり、およその見当を付け計器を適切に選んで測定したりすること。」。解答類型と反応率「1 120 と解答しているもの 61.1 ◎」「2 104 と解答しているもの 12.0」「3 140 と解答しているもの 11.9」「4 102 と解答しているもの 1.5」「99 上記以外の解答 9.5」「0 無解答 4.1」。分析結果と課題に「解答類型2について、このように解答した児童は、はかりの最小目盛りが1gであると誤って捉え、はかりの針が指している目盛りが100gから四つ目であることから104と解答していると考えられる。」「解答類型3について、このように解答した児童は、はかりの最小目盛りが10gであると誤って捉え、…140と解答していると考えられる。」。3(3)と4(3)のクロス集計表で3(3)正答の合計35.4、「3(3)で誤答又は無解答、4(3)で正答の児童の割合は、32.6%である。」。学習指導に当たって「はかりを用いて重さを測定する際に、最小目盛りの大きさを捉えて、目盛りを読むことができるようにすることが重要である。」「例えば、0gから100gまでが何等分されているのかに着目し、大きな目盛りや小さな目盛りの一目盛りが表している重さを捉えることができるようにすることが大切である。また、量りたいものをはかりに置いたとき、大きな目盛りからおよその重さを捉え、小さな目盛りと組み合わせて正確に読み取ることができるようにすることも大切である。また、はかりの目盛りの仕組みを、ものさしや1リットルます、数直線の目盛りの仕組みと関連付けて考えることができるようにすることも大切である。」。表の「その他・無解答」は類型99(9.5%)と無解答(4.1%)の合計。本文の表、「全国調査で見えた、一目盛りの取り違え」「数える前に『何等分か』を見る」第1段落、図1・図2、FAQ2問目の根拠。
  • 国立教育政策研究所「令和7年度全国学力・学習状況調査報告書【小学校/算数】」調査の概要
    https://www.nier.go.jp/25chousakekkahoukoku/report/data/25pmath_01.pdf(確認日 2026-10-16)。
    この出典で確認した記述
    調査の対象とする児童生徒【小学校調査】「小学校第6学年、義務教育学校前期課程第6学年、特別支援学校小学部第6学年」(PDF 4ページ目)。調査日時「教科に関する調査(中学校理科以外) :令和7年4月 17 日(木)(調査基準日)」(PDF 6ページ目)。本文「全国調査で見えた、一目盛りの取り違え」第1段落の「令和7年4月に小学6年生を対象に」の根拠。
  • 文部科学省・国立教育政策研究所「令和7年度 全国学力・学習状況調査 解説資料 小学校 算数」(令和7年4月)
    https://www.nier.go.jp/25chousa/pdf/25kaisetsu_shou_sansuu.pdf(確認日 2026-10-16)。
    この出典で確認した記述
    設問4(3)の解答類型について(本文55〜56ページ、PDF 57〜58ページ目)。「身の回りのものの大きさを単位を用いて表現できるようにすることが大切である。本設問では、はかりの目盛りを読むことができるかどうかを問うている。ここでは、示されたはかりの最小目盛りの大きさに着目し、はかりの最小目盛りが5gであることを捉え、はかりの針が指している目盛りを読むことが必要である。」「【解答類型4】は、はかりの最小目盛りが0.5g、又は10gを表す目盛りが1gであると誤って捉え、はかりの針が指している目盛りが100gから4つ目であることから102と解答していると考えられる。」本文「全国調査で見えた、一目盛りの取り違え」第1段落の「一目盛りは5g」と、表の102の理由の根拠。
  • 文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 算数編」(平成29年7月)
    https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387017_004.pdf(確認日 2026-10-16)。
    この出典で確認した記述
    第2学年 C(1)長さやかさの単位と測定(本文122〜123ページ、PDF 128〜129ページ目)。「長さの単位(ミリメートル(mm),センチメートル(cm),メートル(m))及びかさの単位(ミリリットル(mL),デシリットル(dL),リットル(L))について知り,測定の意味を理解すること。」「1ミリメートル(mm)は,1センチメートル(cm)を 10 等分した一つ分を単位としている」「ものさしなどで測定することを通して,ものさしの目盛りの仕組みについても理解できるようにする。ものさしは,計器として初めて用いるものであり」「1デシリットル(dL)は,1リットル(L)を 10 等分した一つ分を単位としていることを理解できるようにする。」「『1リットルます』を用いてかさを測定することを通して,1リットルますの目盛りの仕組みと単位の意味についての理解を深めることも大切である。」第3学年 C(1)長さ,重さの単位と測定(本文163〜165ページ、PDF 169〜171ページ目)。「長さの単位(キロメートル(㎞))及び重さの単位(グラム(g),キログラム(㎏))について知り,測定の意味を理解すること。」「長さや重さについて,適切な単位で表したり,およその見当を付け計器を適切に選んで測定したりすること。」「単位となる重さの幾つ分かで測定できることを理解できるようにする。」「『(正味の重さ)=(全体の重さ)−(容器の重さ)』という関係が用いられることも理解できるようにする。」「はかりの取り扱いに関しては,どれだけの重さのものまで量れるかという秤量や,どのくらいまでの詳しさで量れるかという感量に気をつけることなど,使用上注意すべきことがある。」「1km は 1000mであり」「1kg は 1000gであり」「1Lは 1000mL であり」と単位の関係を表にまとめる活動。本文「目盛りや単位は何年生で習うのですか」の節、「数える前に『何等分か』を見る」第2・3段落、工夫3、チェックリスト1・5項目、FAQ1・3問目の根拠。
  • 文部科学省「学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)及び高機能自閉症について」(中央教育審議会答申 参考資料)
    https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/attach/1396626.htm(確認日 2026-10-16)。
    この出典で確認した記述
    平成11年7月の「学習障害児に対する指導について(報告)」より抜粋とされる定義「学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。」。本文「気をつけたいこと」第2段落の根拠。

この記事について

本記事は家庭での工夫を整理した一般的な情報であり、医療・発達・心理の診断や治療の判断に代わるものではありません。研究知見や公的資料は「一つの考え方」として紹介しており、家庭ごとに合う・合わないがあります。お子さんの状態が気になる場合は、専門機関や学校にご相談ください。制度・統計の内容は各資料の公表時点のものであり、更新されることがあります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

筆者コメント