3行まとめ
- 窓口で出すのは、子どものマイナ保険証か資格確認書。従来の保険証は2025年12月1日で期限が切れ、期限切れを使える扱いも2026年7月31日で終わった。
- 子どもがカードリーダーを操作できないときは、付き添いの大人がカードを置いて暗証番号を入れるか、職員が顔とカードの写真を見比べる方法がある。
- 「資格情報のお知らせ」だけでは受診できない。カードとセットで紙のまま入れておくと、受付でつまずいたときの控えになる。
この記事でわかること
- 子どもの受診で、いま窓口に出すもの
- 親以外が付き添うとき、暗証番号がなくても受付できる方法
- カードが読めないときに役立つ控えと、何もないときの手続き
- 子ども医療費の受給者証が、自治体によって扱いが違う理由
「古い保険証しかないけど」と電話が来る
朝は元気だった子が、昼前に熱を出しました。会議を抜けられず、近くに住む祖母に小児科へ連れて行ってもらうことにします。しばらくして電話が鳴ります。「母子手帳のケースに保険証が入っていたけど、これでいいの?」。見れば、何年も前に作った子どもの保険証です。
去年までなら、それで受付できたかもしれません。けれど今は、同じカードを出しても通らない場面があります。親が一緒なら窓口でどうにかできても、付き添うのが祖父母やシッターだと、その場で判断を任せることになります。仕組みが変わった今こそ、頼む前に「何を渡すか」を決めておく意味があります。
子どもの受診には、いま何を持たせればいいですか
子どものマイナ保険証か、資格確認書のどちらかです。従来の保険証は、もう窓口で使えません。
厚生労働省によると、従来の健康保険証は2025年12月1日にすべて有効期限を迎えました。その後も、期限切れに気付かずに持参した場合は使える扱いが続いていましたが、それも2026年7月31日で終わっています。いまの窓口で出すのは、健康保険証として利用登録をしたマイナンバーカード(マイナ保険証)か、登録していない人に届く資格確認書です。
資格確認書は、マイナンバーカードを持っていない人や、持っていても健康保険証の利用登録をしていない人、電子証明書の期限が切れた人などに、申請しなくても加入している医療保険者(勤務先の健康保険組合など)から無償で届きます。様式や発行の形は保険者ごとに違い、有効期限も5年以内で保険者が決めます。子どもの分がどちらなのかは、家にある書類で確かめられます。
| 子どもの手元にあるもの | 窓口で出すもの |
|---|---|
| 利用登録したマイナンバーカード | カード本体(控えに「資格情報のお知らせ」の紙を添える) |
| 資格確認書 | 資格確認書 |
| 従来の健康保険証 | 使えない(2025年12月1日に期限満了。期限切れを使える扱いも2026年7月31日で終了) |
| 資格情報のお知らせだけ | 単体では受診できない |
親以外が付き添うとき、カードの読み取りはどうなるか
マイナ保険証の受付では、顔認証付きカードリーダーで本人確認をします。小さな子どもは自分で操作できません。厚生労働省のよくある質問は、この場合について二つの方法を示しています。一つは、親などの代理人が子どものカードをカードリーダーに置き、暗証番号を入力する方法です。もう一つは、待合スペースなどにいる子どもの顔とカードの写真を、職員が目で見比べる方法(目視確認モード)です。
つまり、暗証番号を伝えていなくても、子どもと一緒にカードを持って行けば受付の道はあるということです。暗証番号がロックされていても、顔認証か職員の目視確認で本人確認ができる、とも書かれています。
一方で、この4桁の暗証番号は、マイナポータルへのログインやコンビニでの証明書の交付にも使う番号です。祖父母に伝えるかどうかは、受診のためだけに決めずに、その番号で何ができるかを踏まえて家族で話し合っておきたいところです。伝えない場合は「受付で、写真と顔の確認をお願いして」と一言添えておけば、その場で困りにくくなります。
また、子どものマイナンバーカードは有効期限が短めです。未成年のカードは5年で、カードに入っている電子証明書も発行から5回目の誕生日までです。電子証明書が切れても、切れた月の末日から3か月間は健康保険証として使えますが、それを過ぎると使えなくなります。15歳未満は原則としてスマートフォンのマイナ保険証も使えないため、実物のカードを持たせることになります。
受付でつまずいたときの控え
カードを持って行っても、機器の不具合やICチップの破損などで、窓口で資格の確認ができないことがあります。そのときは、マイナンバーカードと一緒に、マイナポータルの資格情報の画面(ダウンロードしたPDFでも可)か「資格情報のお知らせ」を見せれば、これまで通りの自己負担で受診できます。
資格情報のお知らせは、マイナ保険証を持つ人に保険者から届く紙です。単体では受診できず、スマートフォンで撮った画像を見せる方法も認められていません。紙に印字されたものを、カードとセットで封筒に入れておきます。どちらも手元にないときも、再診なら医療機関が把握している情報で口頭の確認ができ、初診なら窓口で「被保険者資格申立書」を書けば、これまで通りの自己負担で受診できるとされています。
子ども医療費の受給者証は、自治体ごとに違う
多くの家庭では、保険とは別に、自治体の子ども医療費助成の受給者証(医療証)も出しています。デジタル庁は、マイナンバーカードをこの受給者証として使える仕組み(PMH)を自治体と進めていて、参加自治体は2026年6月7日時点で608、利用できる医療機関・薬局は2026年3月に約6.9万施設になりました。ただ、実際の運用は自治体と医療機関ごとに違います。住んでいる自治体で紙の受給者証が要るかを確かめ、要るなら同じ封筒に入れておきます。
家庭で試す3つの工夫
- 子ども一人に一つ「受診封筒」を作る:カードか資格確認書、資格情報のお知らせの紙、受給者証、診察券をまとめ、置き場所を祖父母にも伝えます。期限の切れた保険証は封筒から外しておきます。
- 暗証番号の扱いを先に決める:伝えるなら誰にまでか、伝えないなら「写真と顔の確認をお願いします」と窓口で言えばよいことを、頼む相手に共有しておきます。
- 期限を家族の予定表に書く:子どものカードと電子証明書、資格確認書の期限を書いておくと、更新の手続きを平日のどこで済ませるか、前もって段取りできます。
頼む相手に安心して動いてもらえるかは、渡すときの一言で変わります。
声かけの言い換え例
- 祖父母へ「保険証、どこかにあるはずだから」→探させてしまう。「玄関の棚の青い封筒を、そのまま受付に出して」。
- 祖父母へ「困ったら適当にお願い」→判断を背負わせる。「受付で通らなかったら、封筒の紙を見せて私に電話して」。
- 子へ「じっとしてなさい」→理由がわからない。「受付の人が、カードの写真と顔を見比べるから、少しそっちを向いてね」。
- 子へ「カードなくさないでよ」→緊張させる。「受付が終わったら、おばあちゃんに渡して封筒に戻そうね」。
頼む前に確かめたいこと
- 子どもの分が、マイナ保険証か資格確認書か、家族で分かっているか。
- 期限の切れた従来の保険証を、受診の持ち物から外したか。
- マイナ保険証の子は、資格情報のお知らせの紙をカードと一緒に入れたか。
- カードと電子証明書、資格確認書の有効期限を確かめたか。
- 住んでいる自治体で、紙の受給者証が必要かを確かめたか。
家庭の工夫だけで抱え込まないために
子どもの具合が悪いときは、書類がそろっていないことを理由に受診をためらわないでください。厚生労働省の資料では、カードでの確認ができず控えもないときでも、初診なら被保険者資格申立書を書くことで、これまで通りの自己負担で受診できるとされています。
保育所・認定こども園・幼稚園の職員が園児を連れて受診する場合や、修学旅行などの学校行事では、資格情報のお知らせや資格確認書の写しなどを施設側で預かって受診する方法も妨げられない、とされています。ただしこれは、職員の管理のもとでなりすましが起こりにくいことを踏まえた扱いです。祖父母やシッター、ファミリー・サポート・センターの提供会員が付き添う場合に同じ扱いができるとする記述は、今回確認した資料には見当たりませんでした。迷うときは、受診する医療機関か、加入している医療保険者に事前に確認しておくと安心です。
資格確認書の届き方や有効期限の疑問は加入している医療保険者へ、マイナンバーカードや電子証明書の更新は住民票のある市区町村の窓口へ相談できます。
よくある質問
- 期限が切れた子どもの健康保険証は、もう使えませんか。
- 使えません。従来の健康保険証は2025年12月1日にすべて有効期限を迎え、期限切れに気付かず持参した場合に使えるとしていた扱いも2026年7月31日で終わりました。いまはマイナ保険証か資格確認書を出します。
- 子どもの暗証番号がわからなくても、受付できますか。
- できる方法があります。厚生労働省のよくある質問では、待合スペースなどにいる子どもの顔とカードの写真を職員が見比べる「目視確認モード」でも本人確認ができるとしています。暗証番号がロックされていても、顔認証か目視確認で利用できるとされています。
- 祖父母に、保険の書類のコピーを預けておけばいいですか。
- 基本はカード本体か資格確認書を持たせます。写しで受診する方法が示されているのは、保育所・幼稚園などの職員が園児を連れて行く場合や学校行事の場合で、職員の管理のもとでの扱いです。家族が付き添う場合については、医療機関か加入している医療保険者に確認してください。
- 「資格情報のお知らせ」だけで受診できますか。
- できません。資格情報のお知らせは、機器の不具合などでマイナ保険証の受付がうまくいかなかったときに、マイナンバーカードと一緒に見せる書類です。スマートフォンで撮った画像ではなく、紙に印字されたものを出します。
出典・参考
- 厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用についてよくある質問」
この出典で確認した記述
A2に「令和7年(2025年)12月1日をもって全ての健康保険証は有効期限が満了しました」「令和7年12月2日からは、マイナ保険証をお持ちの方は「マイナ保険証」を、マイナ保険証をお持ちでない方は「資格確認書」をご利用ください」との記載(本文「子どもの受診には、いま何を持たせればいいですか」・FAQ第1問の根拠)。A21に「1台のスマートフォンにつきひとりのマイナンバーカードしか追加できません。また、15歳未満の方は原則スマートフォンのマイナンバーカードをご利用いただけません」との記載(本文の15歳未満の記述の根拠)。A29に「子ども等、本人が窓口で本人確認を行うことが難しい場合には、親等の代理人が子ども等のマイナンバーカードをカードリーダーに置き、暗証番号を入力することで、本人確認をすることができます」「※待合スペース等にいる子どものお顔とマイナンバーカードの写真を職員が目視で確認する本人確認(目視確認モード)も可能です」との記載(本文「親以外が付き添うとき」・FAQ第2問の根拠)。A32に「暗証番号がロックされていても、顔認証付きカードリーダーで顔認証または窓口職員によるマイナンバーカードの顔写真の目視確認で本人確認が可能ですので、健康保険証としてご利用いただくことは可能です」との記載。A33に「マイナンバーカードと併せてマイナポータル画面(ダウンロードしたPDFでも可能)又は資格情報のお知らせを提示する方法で、これまで通りの自己負担で保険診療を受けられます」「どちらもご提示できない場合は、再診の場合には施設側で資格確認に必要な情報を把握していれば職員より口頭で確認します。初診の場合には被保険者資格申立書という書類を職員より受取り、記入することでこれまで通りの自己負担で保険診療を受けられます」との記載(本文「受付でつまずいたときの控え」・「気をつけたいこと」節の根拠)。A36に「この「資格情報のお知らせ」のみでは保険診療を受けることはできません」との記載(FAQ第4問の根拠)。A37に利用者証明用電子証明書は「インターネットのウェブサイトやコンビニ等のキオスク端末等にログインする際に利用する電子証明書です。健康保険証利用時、本人確認として「暗証番号の入力」を選択した際には利用者証明用電子証明書に設定した数字4桁のパスワードをご入力いただきます」「例 マイナポータルへのログイン、コンビニでの公的な証明書の交付等」との記載(本文の暗証番号の用途の根拠)。A39に「電子証明書の有効期限が切れた方は、有効期限満了日が属する月の末日から3か月間(※)は健康保険証としてご利用いただける措置を行っています」との記載(本文の電子証明書が切れた後の扱いの根拠)。A44(修学旅行等の学校行事)とA45(保育所、認定こども園、幼稚園)に、「なりすましが起こることは想定され難いことを踏まえ」、マイナポータルの被保険者資格情報PDFの印刷物、「資格情報のお知らせ又はその写し」、「資格確認書又はその写し」を提示する方法により「保険診療・保険調剤を受けることも妨げられません」「(※)この場合、園児等のマイナ保険証の提示は不要」との記載(「気をつけたいこと」節・FAQ第3問の根拠)。家族・祖父母・シッター等が付き添う場合について同様の扱いを定めた設問は、このページ(Q1〜Q45)には見当たらなかった。 - 厚生労働省「資格確認方法について」
この出典で確認した記述
「従来の健康保険証の有効期限は、2025年12月1日で終了しています」「医療機関・薬局の受付では、マイナ保険証をお持ちの方は「マイナ保険証」、マイナ保険証をお持ちでない方は「資格確認書」をご提示ください」「※ 有効期限切れに気付かず従来の健康保険証を持参した場合は利用可能としていましたが、その対応も、2026年7月31日で終了しました」との記載(リード・本文・表・FAQ第1問の根拠)。「※マイナンバーカードの有効期限は10年(未成年者は5年)ですが、カードに格納されている電子証明書の有効期限は5年です」「有効期限までに更新できないまま受診をしても、有効期限が切れてから3か月間は健康保険証として利用可能です」との記載(本文の子どものカードの有効期限の根拠)。受付ができない場合の例として「医療機関でカードリーダー等の機器不良やネットワークの不具合」「患者が携行しているマイナンバーカードのICチップの破損」、「1.マイナンバーカード+マイナポータルの画面」「2.マイナンバーカード+資格情報のお知らせ」について「単体では受診はできません」「資格情報のお知らせはデータを用いたスマホでの提示等は無効です。必ず紙に印字されたものをご提示ください」、「3.被保険者資格申立書」との記載(本文「受付でつまずいたときの控え」・FAQ第4問の根拠)。 - 厚生労働省「資格確認書について(マイナ保険証を使わない場合の受診方法)」
この出典で確認した記述
「当分の間、マイナ保険証を保有していない(マイナンバーカードの健康保険証利用登録をしていない)方全てに、「資格確認書」が無償で申請によらず交付されます」、申請によらず交付する方として「マイナンバーカードを取得していない方」「マイナンバーカードを取得しているが、健康保険証利用登録を行っていない方」「マイナンバーカードの電子証明書の有効期限切れの方」、「保険者によって様式・発行形態が異なります」「有効期限は、5年以内で保険者が設定することとなっております」「資格確認書の交付等に関する事項は、ご自身が加入している医療保険者からの情報をご確認ください。ご不明点等についても、同保険者にお問合せをお願いします」との記載(本文の資格確認書の説明・「気をつけたいこと」節の相談先の根拠)。 - 厚生労働省 WEBマガジン「医療機関・薬局では、マイナ保険証か資格確認書をご提示ください」
この出典で確認した記述
「2025年12月1日で、従来の健康保険証の有効期限は終了しました。有効期限切れに気付かず健康保険証を持参した場合は利用可能としていましたが、その対応も2026年7月31日で終了します」との記載(出典2と同じ日付を独立に確認)。「カード本体:発行から10回目の誕生日まで」「電子証明書:発行から5回目の誕生日まで」「更新は、有効期限の3か月前から可能です」との記載(本文の電子証明書の期限の根拠)。「機器トラブルや電子証明書の有効期限切れなどにより、マイナ保険証での受付ができない場合があります。その場合でも、マイナンバーカードと併せて、マイナポータルの資格情報画面を提示することなどにより、窓口で10割負担をせずに受診できます」「※資格確認書は「資格情報のお知らせ」とは異なります」との記載。 - デジタル庁「自治体・医療機関等をつなぐ情報連携システム(Public Medical Hub:PMH)」(最終更新日 2026年9月18日)
この出典で確認した記述
PMHのメリットとして医療費助成分野で「医療機関・薬局を受診する際に、マイナンバーカード(マイナ保険証)を医療費助成の受給者証や診察券として利用できるようになる」、先行実施事業の実施状況として「参加自治体数は、2024年度末時点の183自治体から、2026年6月7日時点で608自治体へ拡大」「PMHが利用可能な医療機関・薬局数についても、2025年4月の約2.5万施設から2026年3月には約6.9万施設へと拡大しています」、「実際の運用状況については、各自治体へお問い合わせください」との記載(本文「子ども医療費の受給者証は、自治体ごとに違う」の根拠)。参考:松山市「マイナンバーカードを医療費助成の受給者証として利用できる環境が整いました」(https://www.city.matsuyama.ehime.jp/kurashi/fukushi/jido/pmh.html、更新日 2025年1月9日)は、PMH対応の医療機関・薬局では受給者証の提示が不要になるとしつつ「従来の紙の受給者証は引き続き交付します」「受診時は念のため紙の受給者証も用意してください」と案内しており、自治体によって紙の受給者証の扱いが異なる例として確認した。
この記事について
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