思春期の子どもと“本音”で語り合おう。親子関係が深まるNetflixドキュメンタリー特選3作

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思春期の子どもと“本音”で語り合おう。親子関係が深まるNetflixドキュメンタリー特選3作

「最近、子どもとの会話が減ったな…」「思春期に差し掛かり、どんな話題を振ればいいか分からない…」そんな悩みを抱える親御さんは少なくないでしょう。かつては何でも話してくれた我が子が、自分の世界に閉じこもりがちになるのは、成長の証と分かっていても寂しいものですよね。そんな時、映画やドキュメンタリーは、親子の間に新しい共通の話題を生み出す最高のきっかけになります。今回は、ティーンカルチャーにも詳しい編集長の私が、小学生高学年から高校生のお子さんと、親が一緒になって本気で楽しめる、少し大人向けのNetflixドキュメンタリー作品を3つ、ジャンルが偏らないように厳選しました。鑑賞後、きっと会話が弾むはずです。

監視資本主義: デジタル社会がもたらす光と影

ジャンル 社会問題ドキュメンタリー、テクノロジー
ターゲット年齢 中学生~高校生

親子で語り合いたいポイント

毎日、当たり前のように使っているスマートフォンやSNS。その裏側で、私たちの心理や行動がどのように巨大IT企業に「監視」され、利用されているのかを、元開発者たちの生々しい証言と共に解き明かす衝撃的な作品です。この作品が親子での鑑賞に最適なのは、デジタルネイティブである子どもたちと、テクノロジーを後から学んだ親世代との間にある、知識や危機感のギャップを埋めてくれるからです。「ただ楽しいツール」としてSNSを使う子どもたちに、その裏側にあるビジネスモデルや社会的影響を伝えることは、これからの時代を生き抜くための必須教養と言えるでしょう。
見終わった後、ぜひ「いつも使っているアプリの通知、どうしてあんなに気になるんだろうね?」「ネットで見たこの情報って、本当に正しいのかな?」と問いかけてみてください。あるいは、「お父さん(お母さん)も、ついスマホを見すぎちゃうことがあるんだ」と、ご自身の経験を話すのも良いでしょう。スマホの利用ルールを一方的に押し付けるのではなく、この作品で描かれる「アルゴリズムの怖さ」や「フェイクニュースの拡散」といった具体的な問題を共有し、「どうすれば賢く付き合えるか」を共に考えることで、より建設的な家庭内ルールを築けるはずです。情報社会の光と影を知ることは、お子さんが自律したデジタル市民として成長するための重要な一歩となります。

監視資本主義: デジタル社会がもたらす光と影 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
ドキュメンタリーとドラマを織り交ぜて、自身が開発したテクノロジーに警鐘を鳴らす専門家らとともに、SNSが人間にどれほど危険な影響を及ぼすのかを検証する。

OUR PLANET:私たちの地球

ジャンル 自然ドキュメンタリー、動物、環境
ターゲット年齢 小学生高学年~高校生

親子で語り合いたいポイント

最新の映像技術を駆使し、地球上に存在するありとあらゆる自然の姿、そこに生きる動物たちの驚くべき生態を、息をのむほどの美しさで描き出した超大作シリーズです。ジャングルの奥地から深海、極地の氷原まで、まるで世界中を旅しているかのような臨場感を味わえます。純粋なエンターテインメントとして、お子さんと一緒に「すごいね!」「かわいい!」と声を上げながら楽しめることは間違いありません。
しかし、この作品の真骨頂は、その美しい映像の中に、気候変動や環境破壊という厳しい現実を織り交ぜている点です。ただ「綺麗だったね」で終わらせず、「あのホッキョクグマが暮らす氷が、私たちの生活のせいで溶けているとしたらどう思う?」と、一歩踏み込んだ対話に繋げてみましょう。例えば、作中で描かれる森林伐採や海洋プラスチック問題について、「私たちの買い物やゴミの出し方で、何か変えられることはあるかな?」と、身近なアクションについて話し合う絶好の機会になります。地球という大きなテーマは、時に思春期の繊細な心にも響きやすく、普段は話さないような将来の夢や、社会への問題意識を語ってくれるかもしれません。感動を共有し、未来への責任を共に考える時間は、親子の絆をより一層深いものにしてくれるでしょう。

ジゴロ・イン・ニューヨーク | Netflix
冴えない金欠オヤジ2人が、ふとしたことでジゴロビジネスをスタート。ポン引きのマレーとジゴロのフィオラヴァンテの商売は予想外に好評を博すのだが...。

ミニマリズム: 本当に大切なもの

ジャンル 社会派ドキュメンタリー、ライフスタイル
ターゲット年齢 中学生~高校生

親子で語り合いたいポイント

「もっと、もっと」とモノを求める現代の消費社会に疑問を投げかけ、より少ないモノで豊かに生きる「ミニマリズム」というライフスタイルを実践する人々を追ったドキュメンタリーです。成功と多額の収入を得ながらも満たされなかった主人公たちが、モノを手放すことで本当に大切なものを見つけていく姿は、私たちに「豊かさとは何か?」を問いかけます。
思春期は、友人関係やSNSを通じて、他者との比較に悩みやすい時期です。誰もがキラキラした生活を発信する現代で、「自分にとっての本当の幸せとは何か?」という根源的な問いを投げかけるこの作品は、お子さんの価値観を育む上で非常に有益です。鑑賞後は、「『本当に必要なもの』と『ただ欲しいもの』って、どう違うんだろうね?」と、消費に対する考え方を尋ねてみるのはいかがでしょうか。また、「もし、何でも手に入るとしたら、一番何が欲しい?それはモノ?それとも経験?」といった哲学的な問いも面白いかもしれません。このドキュメンタリーは、単に「片付け」を推奨するのではありません。「人生で何を大切にするか」という本質を考えさせてくれます。モノへの執着から解放され、人との繋がりや経験に価値を見出す生き方は、情報過多な社会を生きるお子さんにとって、大きなヒントとなるはずです。

ミニマリズム: 本当に大切なもの | Netflix
物質的な豊かさが幸せをもたらすというアメリカ的考え方を拒否し、シンプルな暮らしを実践するミニマリスト。真に大切なものとは何かを問うドキュメンタリー。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回ご紹介した3つの作品は、単に時間を共有するだけでなく、テクノロジーとの付き合い方、地球の未来、そして「豊かさ」とは何かという、普段なかなか話せない深いテーマについて、親子で本音で語り合うための最高の“会話の種”です。気になった作品があれば、ぜひお子さんを誘って鑑賞してみてください。そこから生まれる対話が、きっと親子の時間をより豊かで意味のあるものに変えてくれるはずです。ぜひ、新しい共通の話題を見つけてみてください。

※免責事項:本記事で紹介する作品の対象年齢(レーティング)や配信状況は、記事作成時点のものです。視聴・購入の際は、公式サイトや各プラットフォームで最新の情報をご確認ください。また、作品のテーマに触れる上で、軽微なネタバレを含む場合がありますのでご了承ください。

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