たった15分でイライラが笑顔に。科学が実証した「親子の五感リセット森林浴」入門

セルフケア

いつも家族のために、本当にお疲れさまです。parents.jp編集長で、公認心理師のウェルネスコーチがお届けします。

目まぐるしく過ぎる毎日の中で、自分のことはつい後回しになっていませんか?「疲れたな」と感じても、立ち止まる余裕すらないかもしれません。でも、ほんの少しだけ、あなた自身の心と体に意識を向ける時間を作ってみませんか。深く呼吸をするだけで、こわばっていた肩の力がふっと抜けるように、自分を大切にする時間は、いつもの景色を少しだけ違って見せてくれます。この記事では、忙しいあなたとお子さんが、一緒にリフレッシュできる具体的なヒントをご紹介します。読み終わる頃には、きっと心が少し軽くなっているはずです。

なぜ今、親にとって「親子で楽しむ森林浴」が必要なのでしょうか?

「森林浴」と聞くと、少し特別な響きがあるかもしれません。しかし、これは日本発祥の、科学的にも効果が証明された心と体のための健康法です。森や公園の木々に囲まれた環境に身を置くだけで、私たちの心身には驚くほどポジティブな変化が訪れます。研究によれば、樹木が発する「フィトンチッド」という香り成分には、ストレスホルモンであるコルチゾールの濃度を下げ、心身をリラックスさせる副交感神経を優位にする効果があることが分かっています。これは、私たちが感じるイライラや不安を和らげ、穏やかな気持ちを取り戻す手助けをしてくれることを意味します。特に、常に気を張っている子育て中の親御さんにとって、この効果は計り知れません。心の余裕が生まれると、お子さんに対してより優しく、寛容な気持ちで接することができるようになります。また、自然の中で五感を解放することは、お子さんの情緒の安定や好奇心を育む上でも非常に有益です。つまり、「親子で楽しむ森林浴」は、あなた自身の心を癒やすだけでなく、親子の絆を深めるための、最もシンプルでパワフルな時間なのです。

さあ、始めてみましょう(5分でできる簡単ステップ)

特別な準備は何もいりません。いつものお散歩の延長で、お子さんと一緒に小さな冒険に出かけるような気持ちで試してみてください。近所の公園や、少し緑の多い道を選ぶだけで十分です。大切なのは、「五感を意識的に使うこと」です。

  1. まずは、立ち止まって深呼吸。
    お子さんと手をつなぎ、静かな場所で一緒に立ち止まってみましょう。「せーの」で、ゆっくりと鼻から息を吸い込み、口から長く吐き出します。雨上がりの土の匂い、花の香り、緑の匂い…どんな香りがするか、お子さんと話してみるのも素敵です。「森の空気を体いっぱいに吸い込むと、元気パワーがもらえるよ」と声をかけてみましょう。
  2. 「聞く」ことに集中する。
    次は、目を閉じて耳を澄ましてみましょう。鳥のさえずり、風で葉っぱが揺れる音、遠くで聞こえる子供たちの声。普段は気にも留めない様々な音が聞こえてくるはずです。「どんな音が聞こえる?」とお子さんに問いかけて、答えを一緒に楽しんでください。音に集中することで、頭の中の心配事が少しずつ遠ざかっていきます。
  3. 「触れる」ことを楽しむ。
    木の幹のゴツゴツした感触、落ち葉のカサカサした手触り、柔らかな土の感触。お子さんと一緒に、色々なものに優しく触れてみましょう。「この葉っぱ、ふわふわだね」「この木は、なんだかあったかいね」と、感じたことを言葉にするだけで、自然との一体感が深まります。
  4. 「見る」ことを味わう。
    最後に、ゆっくりと周りを見渡します。木々の間から差し込む木漏れ日、様々な緑色のグラデーション、空の青さ。しゃがんでみると、アリが歩いている様子など、普段とは違う世界が見えてきます。「緑色って、こんなにたくさん種類があるんだね」と、発見を共有するのも楽しい時間です。

忙しい毎日に続けるための3つのコツ

「素晴らしい方法なのは分かったけれど、続けるのが難しい…」と感じるかもしれません。大丈夫です。大切なのは、完璧を目指さず、無理なく生活に取り入れることです。ここでは、そのための3つのコツをご紹介します。

  • 1. 「特別な場所」じゃなくていい
    「森林浴」という言葉に、遠くの大きな森をイメージする必要はありません。保育園や幼稚園の帰り道にある小さな公園、街路樹が並ぶ道、マンションの植え込みなど、身近な「緑」で十分です。「今日はこの木にご挨拶しようか」と、日常の中に小さな自然との接点を見つけるだけで、立派なセルフケアになります。
  • 2. 「1日5分」を合言葉に
    まとまった時間を確保しようとすると、途端にハードルが上がってしまいます。「買い物の前に公園で5分だけ」「寝る前にベランダの植物を眺めながら5分だけ」というように、スキマ時間を活用しましょう。短い時間でも、意識的に自然に触れることで心はリフレッシュされます。タイマーをかけるのもおすすめです。
  • 3. 「何もしない」ことを許可する
    大切なのは、何かを達成することではありません。ただ、ぼーっと木を眺めるだけでも、風を感じるだけでもいいのです。お子さんがぐずってしまったり、集中できなかったりしても、「今日はそんな日なんだね」と受け止めてあげましょう。完璧を目指さないこと、そして「何もしない時間」を自分に許してあげることが、継続の一番の秘訣です。

この「親子の五感リセット森林浴」は、あなたとお子さんのための、優しくて温かい時間です。自然の力は、あなたが思っている以上に、頑張っている心と体を深く癒やしてくれます。まずは一度、ほんの数分からでも構いません。ご自身の心と体の声に耳を傾け、あなた自身をたっぷりと労ってあげてくださいね。あなた自身が満たされることが、家族みんなの笑顔に繋がっていくはずです。

本記事は、情報の正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。本記事の情報を用いて行う一切の行為について、当方は何ら責任を負うものではありません。また、本記事の内容は、専門的な助言に代わるものではありません。重要な判断をされる際は、必ずご自身で各分野の専門家にご相談ください。

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