たった1分で心ほぐれる。台所にあるもので始める日本の知恵『薬草・柑橘湯』で自分を慈しむ時間

いつも家族のために、お仕事に、家事に、本当にありがとうございます。『parents.jp』編集長で、公認心理師のウェルネスコーチがお届けするセルフケア時間の時間です。

毎日、お子さんのこと、パートナーのこと、そしてご自身のキャリアのこと。気づけば、自分のことはいつも後回し。心と体が、知らないうちにカチコチに凝り固まってはいませんか?「疲れたな」と感じていても、ゆっくり休む時間なんてない、というのが本音かもしれません。

でも、ほんの少しだけ、あなたのための時間を作ってみませんか?特別な道具も、まとまった時間も必要ありません。いつものお風呂に、キッチンにある“あれ”をそっと加えるだけ。それだけで、心と体がじんわりとほぐれていく、魔法のような時間になるのです。この記事では、忙しいあなたにこそ試してほしい、日本の古き良き知恵に基づいた、最高に手軽な癒やしの方法をご紹介します。読み終える頃には、きっと「これなら私にもできるかも」と、ご自身を大切にする第一歩を踏み出したくなっているはずです。

なぜ今、親にとって「薬草・柑橘湯」が必要なのでしょうか?

情報が溢れ、常に時間に追われる現代社会。私たち親は、子育てという大きな責任と愛情の中で、知らず知らずのうちに心身のエネルギーを消耗しています。そんな今だからこそ、日本の伝統的な入浴法である「薬草・柑橘湯」が、心と体の両方にとって、かけがえのない価値を持つのです。

このセルフケアが注目される背景には、ウェルネスへの関心の高まりと、自然なもので心身を整えたいという「自然回帰」の大きな流れがあります。科学的な視点からも、その効果は裏付けられています。例えば、柚子やみかんの皮に含まれる「リモネン」という香り成分は、脳のリラックス状態を示すα波を増加させ、自律神経のバランスを整える働きがあることが研究で示唆されています。また、生姜に含まれる「ジンゲロール」や「ショウガオール」は、血行を促進し、体を芯から温める効果が期待でき、筋肉の緊張を和らげてくれます。これは、お子さんの抱っこや家事で凝り固まった肩や腰の疲れを癒やすのに、まさにうってつけです。

何より、親である私たちにとって最大のメリットは、その「圧倒的な手軽さ」と「罪悪感のなさ」にあります。高価な入浴剤を買う必要も、わざわざ時間を作って何かを準備する必要もありません。料理で使った皮を、捨てる代わりに湯船に入れるだけ。この一手間が、「自分のために時間を使っている」という自己肯定感を育み、日々のストレスでささくれだった心を優しく癒やしてくれるのです。イライラが減り、心に余裕が生まれれば、お子さんやパートナーにも、もっと穏やかな笑顔で向き合えるようになるでしょう。

さあ、始めてみましょう(5分でできる簡単ステップ)

難しく考える必要は一切ありません。キッチンにあるものを、ほんの少し拝借するような気持ちで、気軽に始めてみましょう。準備にかかる時間は、きっと5分もかからないはずです。

  1. 今日のパートナー(材料)を選ぶ
    まずは、ご自宅のキッチンや冷蔵庫の中を、宝探しのような気分で覗いてみてください。そこには、あなたの心と体を癒やしてくれる素敵なパートナーが隠れています。例えば、お料理で使ったみかんや柚子、レモンの皮。体をぽかぽかに温めてくれる生姜のかけら。あるいは、飲み終わった後のお茶パック(緑茶やほうじ茶など)も素晴らしい材料になります。今日はどんな香りに包まれたいですか?どんな効果を期待しますか?その日の気分や体調に合わせて、直感で選ぶのが一番です。
  2. 優しく下準備をする
    パートナーが決まったら、簡単な下準備をしましょう。柑橘類の皮は、表面を優しく水で洗い流します。農薬などが気になる場合は、塩で軽くこすり洗いするのも良いでしょう。その後、天日や風通しの良い場所で少し干しておくと、香りが凝縮されますが、もちろん生のままでも大丈夫です。生姜は、香りが広がりやすいように、2〜3ミリの薄切りにしましょう。たくさんの量は必要ありません。皮一枚、生姜ひとかけらからで十分なのです。
  3. お風呂にそっと入れる
    準備した材料を、お湯を張った湯船にそっと入れます。後片付けを楽にしたい場合は、ガーゼでできた袋や、市販のお茶パックに入れるのがおすすめです。そうすることで、浴槽の掃除も簡単になります。もちろん、みかんの皮などをそのまま湯船にぷかぷかと浮かべるのも、見た目にも楽しく、風情があって素敵ですよ。お湯に浸かる10分ほど前に入れておくと、浴室全体に優しい香りが広がり、成分もじんわりとお湯に溶け出していきます。
  4. 自分だけの時間を味わう
    準備はこれでおしまいです。あとは、ゆっくりと深呼吸をしながらお湯に浸かりましょう。目を閉じて、素材から立ち上る自然な香りを胸いっぱいに吸い込んでみてください。体が芯からじんわりと温まり、こわばっていた筋肉が少しずつ緩んでいくのを感じられるはずです。「今日も一日、よく頑張ったね」。誰に言うでもなく、ご自身の心と体に、そう声をかけてあげるような気持ちで、この温かい時間を心ゆくまで味わってください。

忙しい毎日に続けるための3つのコツ

「自分を大切にする時間」だと分かっていても、忙しい毎日の中では続けるのが難しいと感じるかもしれません。でも、大丈夫。ちょっとした工夫と心構えで、「薬草・柑橘湯」はあなたの暮らしに無理なく溶け込んでくれます。

  • 1. 「ついで」ストックでハードルを下げる
    わざわざ「セルフケアのために準備する」と考えると、少し億劫になってしまうかもしれません。そこでおすすめなのが、「何かのついで」にストックを作っておくことです。例えば、朝食でみかんを食べたら、皮を捨てずにシンクの隅で洗っておく。夕食の準備で生姜を使ったら、切れ端をラップに包んで冷凍しておく。そうやって、調理の動線の中に組み込んでしまえば、何の負担にもなりません。乾燥させた皮や冷凍した生姜を瓶やジッパー付き袋に入れておけば、疲れて帰ってきた夜でも、思い立った瞬間にすぐ、癒やしのお風呂時間を楽しめます。
  • 2. 親子のコミュニケーション時間にする
    セルフケアは、必ずしも一人きりで行うものとは限りません。「今日のお風呂は、みかんの良い香りがするよ」とお子さんと一緒に皮を湯船に浮かべてみましょう。ぷかぷか揺れる皮を追いかけたり、香りをかいだりすることは、お子さんにとっても楽しい五感の遊びになります。セルフケアの時間が、親子の笑顔あふれるコミュニケーションの時間に変わるのです。ただし、お子さんの肌はデリケートなので、初めて試す素材の場合は、少量から様子を見て、肌に異常がないか確認してあげてくださいね。
  • 3. 完璧を目指さず、「お守り」にする
    最も大切な心構えは、完璧を目指さないことです。「毎日続けなきゃ」と義務にしてしまうと、それが新たなストレスになりかねません。週に一度でも、月に一度でもいいのです。「本当に疲れたな」「心がささくれ立っているな」と感じた時だけの、「特別なご褒美」や「心のお守り」のような存在として捉えてみましょう。大切なのは、頻度ではなく、「自分にはいつでも頼れる癒やしの選択肢がある」と知っていることです。その安心感が、忙しい毎日を乗り越えるための、静かで力強い支えとなってくれるはずです。

「薬草・柑橘湯」は、慌ただしい日常の中に、ほんの少しの彩りと温もりを加えてくれる、あなただけの優しいセルフケアです。特別なことは何一つありません。ただ、そこにある自然の恵みを借りて、自分自身を温め、労ってあげるだけ。体の芯から温まることで、心もふわりと軽くなるのを感じられるでしょう。その温かさは、明日への活力となり、ご家族へと注ぐ笑顔にも繋がっていくはずです。

まずは今夜、ご自身の心と体の声に、優しく耳を傾けてあげてください。「お疲れさま」の一言と一緒に、温かいお風呂で、あなた自身をそっと包み込んであげてくださいね。

本記事は、情報の正確性、完全性、最新性を保証するものではありません。本記事の情報を用いて行う一切の行為について、当方は何ら責任を負うものではありません。また、本記事の内容は、専門的な助言に代わるものではありません。重要な判断をされる際は、必ずご自身で各分野の専門家にご相談ください。

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